エコキュート エコジョーズ 違い

「エコキュート」と「エコジョーズ」は名前が似ているため混同されがちですが、熱源も仕組みもまったく別の給湯器です。エコキュートは電気と空気の熱でお湯を沸かして貯めるタイプ、エコジョーズはガスで必要な分だけお湯を作るタイプ。どちらがお得かは、家族構成・電気とガスの契約・設置スペースによって答えが変わります。本記事ではエコキュート工事専門店の視点で、仕組み・費用・光熱費・補助金の違いを整理し、ご自宅に合う一台を判断できるよう解説します。

監修者

・ガス機器設置スペシャリスト
・ガス消費機器設置工事監督者
・第二種電気工事士
・給水装置工事主任技術者
・2級管工事施工管理技士
・第一種フロン類取扱技術者
・第二種冷凍空調技士 セールスエンジニア主任 三宅 昭裕のプロフィール写真
セールスエンジニア主任 三宅 昭裕

保有資格・専門領域

・ガス機器設置スペシャリスト
・ガス消費機器設置工事監督者
・第二種電気工事士
・給水装置工事主任技術者
・2級管工事施工管理技士
・第一種フロン類取扱技術者
・第二種冷凍空調技士

経歴・実績

・ガス住宅設備機器工事
・メンテナンス
・エコキュート工事

エコキュートとエコジョーズの違いを一覧で比較

一目でわかる比較表

項目 エコキュート エコジョーズ
熱源 電気+空気の熱(ヒートポンプ) ガス(都市ガス・LPガス)
お湯の作り方 貯湯式(沸かして貯める) 瞬間式(使う分だけ沸かす)
エネルギー効率 投入した電気の約3倍の熱を生む 熱効率 約95%
本体+標準工事費の目安 40〜70万円程度 15〜30万円程度
月々の給湯コスト目安(4人家族) 約2,000〜3,500円 約4,000〜7,000円(ガス種で差が大きい)
設置スペース タンク+ヒートポンプで畳半畳ほど必要 壁掛け中心で省スペース
寿命の目安 10〜15年 10〜12年
お湯切れ 使いすぎると起こりうる 起こらない
給湯省エネ2026事業の補助金 対象(7万円/台〜) 対象外

結論:長く住むならエコキュート、初期費用と省スペースならエコジョーズ

10年以上そのご自宅に住む予定があり、屋外に設置スペースを確保できるならエコキュートが有力です。初期費用は高いものの、月々の給湯コストが半分前後になり、補助金も使えるため、7〜10年ほどで差額を回収できるケースが多くあります。

一方、設置スペースが取れない、初期費用を抑えたい、都市ガスの単価が安い地域である、数年以内に住み替えの予定がある場合など、こうした条件ではエコジョーズが合理的です。「どちらが優れているか」ではなく「どちらが自宅の条件に合うか」で選ぶのが正解です。

仕組みの違い|熱の作り方がまったく違う

エコキュートとエコジョーズは、どちらも「省エネ給湯器」と呼ばれますが、省エネを実現している原理が根本的に異なります。ここを理解しておくと、後の光熱費やお湯切れの話がすっきり腹落ちします。

エコキュートは空気の熱を集めてお湯を沸かす

エコキュートは、エアコンと同じヒートポンプ技術を使い、屋外の空気に含まれる熱を冷媒(CO2)で集めて圧縮し、その熱で水を温めます。電気は「熱を作る」のではなく「熱を運ぶ」ために使われるため、投入した電気エネルギーの約3倍の熱を取り出せます。

沸かしたお湯は貯湯タンクに貯めておき、必要なときに使います。電気料金が割安な夜間や、太陽光発電の余剰電力が出る昼間に沸かすことで、さらにコストを下げられるのが特徴です。

エコジョーズは捨てていた排熱を再利用する

従来のガス給湯器は、燃焼後の200℃前後の排気をそのまま外に捨てていました。エコジョーズはこの排熱で水をあらかじめ温めてから燃焼させる二次熱交換器を備えており、従来型の約80%から約95%へと熱効率を高めています。

ガスを燃やしてお湯を作る点は従来型と同じなので、使う分だけその場で沸かす瞬間式であることも変わりません。タンクが不要なため本体はコンパクトです。

「効率3倍」と「効率95%」は比べ方が違う

比較表を見て「95%より3倍のほうが圧倒的では」と感じるかもしれませんが、この2つは分母が違います。エコジョーズの95%は「燃やしたガスの熱をどれだけ無駄なく使えたか」という上限100%の指標です。

対してエコキュートの約3倍は「投入した電気に対して何倍の熱を取り出せたか」という指標で、空気中の熱をタダで利用しているため100%を超えます。省エネ性そのものはエコキュートが上ですが、電気とガスの単価が違うため、最終的な光熱費は次章の実額で比べる必要があります。

費用の違い|初期費用とランニングコストの逆転ポイント

給湯器選びで最も気になるのがお金の話です。ここでは本体・工事費といった初期費用と、毎月かかるランニングコストの両方を示したうえで、何年で費用が逆転するのかを試算します。

初期費用は2〜3倍の開き

エコジョーズは本体+標準工事費で15〜30万円程度、エコキュートは40〜70万円程度が一般的な相場です。エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯ユニットの2台構成で、機器そのものが大きく重いため、この差が生まれます。

貯湯タンクの容量(370L・460Lなど)、フルオートかセミオートか、寒冷地仕様かどうかでも価格は変わります。これらの違いは価格差以上に日々の使い勝手に影響するため、機種選びの際は必ず確認してください。

ガス給湯器からの交換は5〜10万円ほど高くなる

見落とされがちなのが工事費の差です。ガス給湯器からエコキュートへ交換する場合、古いエコキュートから新しいエコキュートへ交換する場合と比べて、基礎工事も含めると5〜10万円ほど高くなります。

理由は、エコキュートの設置に必要なコンクリート基礎を新設し、専用の電気配線(200V)を引き、給水・給湯・排水の配管を新たに敷設する必要があるためです。すでにエコキュートがある家なら基礎も配線も流用できるため、その分だけ安く収まります。ガスからの切り替えを検討している方は、この初期費用の差を織り込んで比較しましょう。

月々の給湯コストは半分前後に

4人家族でのおおよその目安として、エコジョーズは月4,000〜7,000円程度、エコキュートは月2,000〜3,500円程度です。エコキュートは夜間電力が割安なプランと組み合わせることで、さらに下がる場合もあります。

ただしこれは目安で、都市ガスかプロパンガスか、契約している電気料金プラン、家族の入浴習慣によって大きく変動します。とくにプロパンガス地域では差が開きやすく、エコキュートへの切り替えメリットが大きくなる傾向があります。

何年で元が取れるかを試算する

仮に初期費用の差が25万円、月々の光熱費の差が2,500円(年間3万円)だとすると、単純計算で約8年で逆転します。ここに給湯省エネ2026事業の補助金が入れば、回収期間はさらに短くなります。

エコキュートの寿命は10〜15年なので、「あと10年以上住むかどうか」がひとつの判断基準になります。

使い勝手・設置条件・災害時の違い

費用だけで決めると、住み始めてから「思っていたのと違う」となりがちです。ここでは日々の使い勝手と、設置スペース、そして断水・停電時の挙動という3つの視点から違いを見ていきます。

お湯切れと水圧の考え方

エコジョーズは瞬間式なので、お湯切れは起こりません。水圧も水道直圧のため、シャワーの勢いを重視する方には安心です。

エコキュートは貯めたお湯を使う方式のため、来客が続いた日などにお湯切れが起こる可能性があります。ただし現在の機種は学習機能で使用量を予測し、足りなければ昼間でも自動で沸き増しします。水圧については、タンク内で減圧するため従来は弱めでしたが、高圧力型(水道直圧式含む)を選べば戸建てでも十分な勢いが得られます。

設置スペースと運転音

エコジョーズは壁掛け設置が中心で、既存のガス給湯器と同じ場所に収まることがほとんどです。

エコキュートは貯湯ユニットとヒートポンプユニットの2台を屋外に置くため、おおむね畳半畳ほどのスペースが必要になります。狭小地では奥行きの浅い薄型(スリム)タイプという選択肢もあります。また、ヒートポンプユニットは夜間に運転するため、寝室や隣家の窓に向けた設置は避けるのが原則です。

断水・停電時に強いのはどちらか

災害時の挙動は対照的です。エコキュートは貯湯タンクに370〜460Lの水を貯えており、断水時には非常用取水栓から生活用水として取り出せます(飲用は不可)。ただし停電すると運転は停止します。

エコジョーズは断水すると水が来ないためお湯は使えず、停電時も点火制御に電気を使うため停止します。「断水に強いのはエコキュート、復旧後の立ち上がりが早いのはエコジョーズ」と覚えておくとよいでしょう。

補助金の違い|エコジョーズは国の補助対象外

2026年時点で見逃せないのが補助金の差です。国の「給湯省エネ2026事業」では、エコジョーズ単体は対象になりません。ここでは最新の公式情報にもとづき、金額と条件を説明します。

エコキュートは基本7万円+性能加算3万円

給湯省エネ2026事業では、ヒートポンプ給湯機(エコキュート)の設置に対して基本額7万円/台が補助されます。さらに性能加算要件(2025年度目標基準値+0.2以上の性能値)を満たす機種なら3万円/台が加算され、最大10万円/台となります。

補助上限は戸建住宅で2台まで、共同住宅等で1台までです。対象となる着工日は2025年11月28日から予算上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日まで)とされています。

出典:給湯省エネ2026事業 公式サイト(資源エネルギー庁)

補助対象になるのは「DR対応機種」など条件付き

注意したいのは、すべてのエコキュートが対象になるわけではない点です。公式サイトでは、省エネ法のトップランナー制度における2025年度目標基準値以上の性能を備え、インターネットに接続でき、翌日の天気予報や日射量予報に連動して昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能を有すること、または「おひさまエコキュート」であることが要件として示されています。

一部の機種は台所リモコンや無線LANアダプターを追加設置することで要件を満たします。対象製品は事務局に登録されたものに限られるため、機種選定の段階で確認が必要です。

出典:給湯省エネ2026事業「対象機器の詳細(エコキュート)」

撤去加算はガス給湯器では受けられない

給湯省エネ2026事業には撤去加算があり、電気蓄熱暖房機の撤去で4万円/台、電気温水器の撤去で2万円/台が加算されます。しかしこれは電気式の機器が対象で、ガス給湯器やエコジョーズを撤去しても加算は受けられません。エコキュートの撤去も加算対象外です。

なお申請は登録事業者である「給湯省エネ事業者」が行い、一般消費者が直接申請することはできません。工事を依頼する業者が登録済みかどうかは必ず確認しましょう。

エコキュートとエコジョーズどちらが向いている?

ここまでの違いを踏まえ、エコキュートが向いているご家庭、エコジョーズが向いているご家庭は次の通りです。ご自身の条件に近いほうを選んでいただければ、大きく外すことはありません。

エコキュートが向いているご家庭

屋外に設置スペースがあり、今後10年以上住む予定の戸建て。プロパンガス地域で毎月のガス代が高い。太陽光発電を設置している、または導入予定がある。オール電化にして基本料金を一本化したい。こうした条件では、補助金と光熱費削減の恩恵を最も受けられます。

家族が多くお湯の使用量が多いご家庭ほど、単価の安さが効いてきます。

エコジョーズが向いているご家庭

設置スペースが確保できない。数年以内に住み替えや建て替えの予定がある。初期費用をできるだけ抑えたい。ガスコンロや床暖房などガス設備を今後も使い続けたい。都市ガスで単価が比較的安い。こうした場合はエコジョーズが現実的です。

また、シャワーの水圧やお湯切れのなさを最優先したい方にも適しています。

迷ったら現状の光熱費から逆算する

判断に迷ったら、直近12か月分の電気・ガスの検針票を用意してください。ガス代のうち給湯が占める割合はおおむね6〜7割とされており、そこから切り替え後の削減額を概算できます。

設置スペースの可否と合わせて見積もりを取れば、「何年で回収できるか」が具体的な数字で見えてきます。

エコキュートとエコジョーズについてよくある質問

Q. エコキュートとエコジョーズは併用できますか?

給湯はどちらか一方に集約するのが一般的ですが、給湯はエコキュート、暖房や浴室乾燥はガスというように熱源を分けて使うことは可能です。なお、ヒートポンプとガスを組み合わせた「ハイブリッド給湯機」という選択肢もあり、こちらは給湯省エネ2026事業で10万円/台(性能加算2万円/台)の補助対象となっています。

Q. エコジョーズからエコキュートに替えると、ガスの契約はどうなりますか?

ガスコンロ・ガス衣類乾燥機・ガス床暖房などを引き続き使う場合は、ガス契約はそのまま残ります。この場合、給湯分のガス使用量は減りますが基本料金は発生し続けるため、削減効果は使用量分にとどまります。一方、調理をIHクッキングヒーターに替えるなどしてガス機器をすべてなくせば、ガス契約を解約して基本料金そのものをなくせます。とくにプロパンガス地域では基本料金の負担が大きいため、削減額の差が出やすい部分です。ご自宅のガス機器の構成を確認したうえで判断しましょう。

Q. オール電化にしないとエコキュートは導入できませんか?

いいえ、ガスを併用したままエコキュートを導入することもできます。給湯だけをエコキュートに切り替え、コンロや床暖房はガスのまま残すという使い方は可能です。ただしこの場合はガスの基本料金が残るため、光熱費の削減幅はオール電化にした場合より小さくなります。また、電気料金プランによってはオール電化向けの割安なプランを契約できないこともあります。エコジョーズを選べばガス設備をそのまま活かせるので、ガス機器を今後も使い続けたいかどうかが、両者を分ける判断材料のひとつになります。

Q. エコキュートの電気代は今後値上がりしても大丈夫ですか?

電気料金の変動リスクはありますが、エコキュートは投入電力の約3倍の熱を得られるため、同じ熱量あたりのコストでは有利な状態が続きやすい構造です。加えて、太陽光発電の余剰電力で昼間に沸き上げる「おひさまエコキュート」や昼間シフト機能を使えば、購入電力量そのものを減らせます。ガス料金も原料費調整で変動するため、片方だけがリスクというわけではありません。

まとめ

エコキュートとエコジョーズは、電気(空気の熱)とガスという熱源の違い、貯湯式と瞬間式という方式の違いがあり、初期費用・光熱費・補助金のすべてで性格が異なります。長く住む戸建てで設置スペースがあるならエコキュート、初期費用と省スペースを優先するならエコジョーズが基本の考え方です。国の「給湯省エネ2026事業」では、エコジョーズ単体は対象になりません。エコキュートは最大10万円/台の補助が受けられます。

当店はエコキュート工事の専門店として、現地調査から補助金を活用した機種選定、施工までを一括で承っています。ご自宅にどちらが合うか迷われている方も、まずはお気軽にお見積もり・お問い合わせください。