
パナソニックのエコキュートに「F23」が表示された場合、それはヒートポンプユニットの回路に過電流や電圧の異常が検出され、運転が停止しているというサインです。
目次
パナソニックエコキュートのエラー「F23」
| 項目 | 内容 |
| エラーの意味 | DCピーク異常、OCP異常(ヒートポンプユニットの回路不具合) |
| 発生部位 | ヒートポンプユニット側 |
| 症状 | お湯が沸かせない/タンクにお湯が貯まらない(残湯は使用可) |
| 自分で直せるか | ✕(リセットで一時復帰する場合あり) |
| 修理費の目安 | 5万円〜/圧縮機の故障なら20万円以上 |
| 交換を検討する目安 | 設置8年以上/リセット後に再発する場合 |
まず最初にすべきこと
F23が表示されたら、次の順に確認してください。
ブレーカーと電源電圧を確認する
分電盤のエコキュート専用ブレーカーと、貯湯ユニットの漏電遮断器を確認します。落ちている場合は入れ直してください。
F23は電流と電圧に関するエラーのため、停電や電圧の変動があった直後に表示されることがあります。この場合はリセットで復旧する可能性があります。
ヒートポンプユニットの状態を確認する
ヒートポンプユニット(屋外機)を見て、次の点を確認してください。
・ファンが回っているか、すぐに止まってしまわないか ・起動時に唸るような音がしていないか ・吸込口や吹出口が塞がれていないか ・熱交換器にホコリや落ち葉が詰まっていないか
放熱がうまくいかないと圧縮機の負荷が上がり、電流が増加します。障害物の除去や清掃で改善するケースがあります。
タンクの残湯量を確認する
F23が出ていても、タンクに残っているお湯は使えます。
リモコンで残湯量を確認し、あとどのくらい使えるかを把握しておいてください。業者の手配までの時間の目安になります。
パナソニックエコキュートの「F23」はDCピーク異常・OCP異常
F23が示している状態
F23は、ヒートポンプユニット内のトランジスタモジュールで過電流や電源電圧の降下を検出した状態、あるいは圧縮機の回転が異常に高い状態を示しています。
DCピーク異常とは、直流電流が設計値を超えたことを意味します。OCPはOver Current Protection、つまり過電流保護の略です。
エコキュートは、インバータで圧縮機の回転数を制御しています。トランジスタモジュールは、その制御の中心にある電子部品です。ここに設計を超える電流が流れると、部品の焼損につながるため、機器は運転を停止します。
F23は、この保護動作が働いた状態です。
機種によって内容が異なります
パナソニックのHE-URシリーズでは、F23は圧縮機の回転が異常に高い状態、または過電流と電源電圧の降下を検出した状態を示すとされています。
一般的な機種ではトランジスタモジュール内部での過電流と電圧降下、HE-URシリーズでは圧縮機側に焦点が当たっている、という違いです。
処置内容も異なり、HE-URシリーズではプリント基板2の点検・交換が示されています。お使いの型番によって、点検の手順が変わります。
F23が出ている間の症状
エラーが表示されている間、エコキュートは次の状態になります。
・新しくお湯を沸かすことができない ・タンクにお湯が貯まらない ・運転を始めてもすぐに停止する ・タンク内に残っているお湯は使える
残湯を使い切った時点で、お湯が出なくなります。
F23が出る前によく見られる兆候
次のような症状に心当たりがある場合、以前から不具合が進行していた可能性があります。
・ヒートポンプユニットから起動時に唸るような音がする ・沸き上げが途中で止まることがあった ・電気代が以前より高くなっている ・ブレーカーが落ちることがあった ・以前にもF23が出て、リセットで消えたことがある
F23が表示される4つの原因
パナソニックが示す処置内容をもとに整理すると、原因は次のように分類できます。
原因①|圧縮機(コンプレッサ)の異常
圧縮機の内部で固着や巻線の短絡が起きている、あるいは回転が異常に高くなっているケースです。
回転に大きな抵抗がかかると過大な電流が流れ、DCピーク異常として検知されます。
F23の中で、費用面の影響が最も大きい原因です。詳しくは後述します。
原因②|プリント基板の故障
トランジスタモジュールを含む基板が故障しているケースです。
パワー部品は発熱量が大きく、基板の中でも比較的傷みやすい箇所です。ここが劣化すると、正常な電流制御ができなくなります。
基板交換で対応します。HE-URシリーズの場合は、プリント基板2の点検・交換が示されています。
原因③|沸き上げポンプの不具合
タンクの水をヒートポンプへ送るポンプです。
ここが弱ると、ヒートポンプに十分な水が回らず、圧縮機の負荷が上がります。結果として電流が増加します。ポンプの点検・交換で対応します。
原因④|ヒートポンプ配管系路の異常
配管の潰れ、詰まり、汚れの堆積などによって、水の流れが妨げられているケースです。
こちらも圧縮機の負荷を上げる要因になります。パナソニックの処置内容でも、配管系路の点検・修正が示されています。
エラーの強制解除方法
F23は、貯湯ユニットの漏電遮断器を操作することで解除できます。
【解除の手順】
- 貯湯ユニットの漏電遮断器を「切」にする
- そのまま1分程度待つ
- 再度「入」に戻す
- リモコンでエラー表示が消えているか確認する
一時的な誤作動であれば、これで復旧することがあります。
解除しても再発する場合は部品の故障です
ここが判断の分かれ目になります。
停電や電圧変動による一時的な現象であれば、解除後に正常な沸き上げが再開し、再発しません。
一方、再びF23が表示される場合は、圧縮機、基板、ポンプ、配管のいずれかに実際の異常があります。解除を繰り返しても状況は改善しません。
むしろ、過電流が流れる状態で運転を試みることになるため、基板側の部品にも負荷がかかります。ポンプ交換で済んだはずのものが、圧縮機と基板を巻き込むケースがあります。
F23表示を放置するとどうなるか
お湯が使えなくなる
残湯を使い切った時点で、お湯が出なくなります。冬場であれば、その日のうちに生活に支障が出ます。
トランジスタモジュールと圧縮機が焼損する
F23は、過電流から機器を守るための停止です。
これを解除して運転を続けると、設計値を超える電流が流れ続けることになります。トランジスタモジュールが焼損する、圧縮機の巻線が損傷するといった事態につながります。
配管の清掃だけで済んだはずのものが、圧縮機と基板の両方を巻き込むと、修理費は一気に上がります。
修理範囲が広がる
複数の部品が同時に傷むと、どこから壊れたのかの判別がつきにくくなります。結果として、点検に時間がかかり、交換する部品も増えます。
F23は早い段階で見てもらうほど、費用を抑えられるエラーです。
F23が表示された時に修理できるケースとできないケース
同じF23でも、どこが原因だったかによって費用が大きく変わります。
| 原因箇所 | 修理の可否 | 費用の目安 |
| 周辺環境(障害物・目詰まり) | ◯ 清掃・除去で対応 | 出張点検料のみの場合も |
| ヒートポンプ配管系路 | ◯ 修理可能 | 3万〜8万円程度 |
| 沸き上げポンプ | ◯ 修理可能 | 5万〜10万円程度 |
| プリント基板 | ◯ 修理可能 | 5万〜12万円程度 |
| 圧縮機(コンプレッサ) | △ ユニット単位の対応 | 20万円以上 |
なぜ圧縮機の故障は部品交換で対応しないのか
圧縮機は、ヒートポンプユニットの中で最も高価かつ中心的な部品です。
交換するには、冷媒を回収し、溶接された配管を切り離し、新しい圧縮機を接続して真空引きを行い、冷媒を再充填するという工程が必要になります。作業には資格と専用の設備が要り、作業時間も長くかかります。
さらに、圧縮機が焼損した場合は内部で発生した金属粉や炭化物が冷媒回路に回っています。この状態で圧縮機だけを交換しても、新しい圧縮機がすぐに傷みます。回路全体の洗浄が必要になり、その手間と費用は圧縮機本体の交換に上乗せされます。
そのため、圧縮機の故障が確認された場合は、ヒートポンプユニットごとの交換で対応するのが一般的です。この時点で費用は本体交換に近づきます。
どちらのケースかは点検しないとわかりません
F23は、リモコンの表示だけでは基板の故障なのか圧縮機の異常なのかを判別できません。
数万円で直るのか、20万円かかるのかは、現地でヒートポンプユニットを開けて診断して初めて確定します。見積もりを取る際は、原因の特定結果と交換部品の内訳を確認してください。
F23が表示された時の修理費用の目安
| 対応内容 | 費用の目安 |
| 出張・点検料 | 8,000〜15,000円 |
| 周辺の清掃・障害物の除去 | 出張点検料のみの場合も |
| ヒートポンプ配管の補修 | 3万〜8万円 |
| 沸き上げポンプ交換 | 5万〜10万円 |
| プリント基板交換 | 5万〜12万円 |
| 圧縮機の交換 | 15万〜25万円 |
| ヒートポンプユニット交換 | 20万円以上 |
※上記は一般的な相場です。実際の費用は現地の状況によって変動します。
F23は、原因の中に圧縮機の異常という高額パターンが含まれている点に注意が必要です。
配管の補修であれば数万円で収まりますが、圧縮機だった場合は20万円を超えます。修理見積もりがこの水準に達した場合、交換との比較を検討する価値があります。
修理代に保証・保険が使えるか
修理や交換の前に、費用負担が軽くなる可能性を確認しましょう。
メーカー保証・延長保証
エコキュートには、メーカーの標準保証に加えて、販売店が用意している延長保証があります。
F23で問題になる圧縮機と冷媒回路は、メーカーの標準保証でも本体より長い期間が設定されているのが一般的です。設置から5年以内であれば、無償修理の対象になる可能性があります。
まず、設置を依頼した販売店・工務店に連絡してください。保証書が見つからなくても、施工店の記録に残っていることがほとんどです。
火災保険が使える場合があります
エコキュートは住宅の付属設備とみなされるため、自然災害が原因の故障であれば火災保険の対象になる可能性があります。
F23で該当しやすいのが落雷です。雷サージによってトランジスタモジュールやプリント基板が損傷するケースは実際にあり、この場合は経年劣化ではなく自然災害による故障として扱われます。
対象になり得るのは、次のようなケースです。
・落雷(雷サージ)による基板の故障 ・台風、大雨による浸水 ・大雪、雪害による破損 ・飛来物による物理的な破損
一方で、経年劣化による故障は対象外です。
F23が出る直前に落雷や停電があった場合は、業者に点検を依頼する段階で「保険申請を検討している」と伝えてください。原因診断書の作成が必要になります。
型番から製造年を調べる方法
保証の判断にも、修理か交換かの判断にも、設置からの経過年数が必要になります。またF23では、HE-URシリーズかどうかで処置内容が変わるため、型番の確認そのものが診断の手がかりになります。
貯湯ユニット側面に貼られているシールを確認してください。型番と製造番号が記載されています。
製造番号から製造年が判別できるほか、型番がわかれば、その機種がいつ頃販売されていたものかを調べることができます。
お問い合わせの際は、この型番シールの写真を撮っておいていただくと、その場で判断できることが増えます。
設置から10年以上経っている場合、交換をおすすめする理由
理由①|部品がない可能性がある
メーカーの補修用性能部品の保有期間は、製造終了からおおむね10年です。
これを過ぎている機種は、修理したくても部品が存在しません。F23で交換対象となるプリント基板や圧縮機は機種専用部品のため、代替が効きません。
「基板さえあれば直る故障なのに、基板がないから直せない」という状況が実際に起こります。設置から10年以上経っている場合、まずここを確認する必要があります。
理由②|圧縮機の寿命が近い時期
ヒートポンプユニットの寿命は10年前後とされています。
圧縮機は、毎日の沸き上げのたびに稼働している消耗部品です。10年を超えたタイミングでのF23は、基板単体の故障ではなく、圧縮機が寿命を迎えているサインである可能性が高くなります。
理由③|直しても、別の箇所が故障する可能性
エコキュートの部品は、ほぼ同時期に劣化していきます。今回基板を交換して直ったとしても、翌年にはポンプ、その次の年には圧縮機というように、次々と別の箇所が壊れていくのが一般的です。
10年間の総額で比較すると
設置10年のエコキュートで、修理を選んだ場合と交換を選んだ場合を比較してみます。
| 修理を選んだ場合 | 交換を選んだ場合 | |
| 初回対応費 | 8万円(プリント基板交換) | 45万円(本体+工事) |
| 2年後 | 12万円(ポンプ・弁類) | 0円(保証期間内) |
| 5年後 | 25万円(圧縮機→結局交換) | 0円(保証期間内) |
| 10年間の電気代差 | 旧型のまま | 年間1〜2万円の削減 |
| 保証 | なし | 最長10年 |
| 10年間の総額 | 約45万円+交換費 | 約45万円(ここから補助金適用で最大10万円実質減額) |
※金額は一般的な目安です。実際の費用は機種・設置条件により異なります。
修理を重ねた結果、総額では交換より高くつき、最終的には交換することになるというのが、10年以上使用した機器でよく起きるパターンです。
逆に、修理を選んだほうがよいケース
・リセット後に再発しない — 停電や電圧変動による一時的な現象だった可能性があります
・周辺の障害物や目詰まりが原因だった — 清掃や配置の見直しで解決します
・設置から5年以内 — 圧縮機や冷媒回路の保証期間内である可能性が高い時期です
・延長保証に加入している — 無償修理を受けられます
・賃貸物件にお住まいの場合 — 借主に過失がなければ、修理・交換費用は貸主(大家さん・管理会社)の負担です。ご自身で業者を手配する前に、必ず管理会社へ連絡してください
エラーコードが表示された際の相談先
設置を依頼した販売店・工務店
延長保証に加入している場合は、まずここです。保証期間内であれば無償で対応してもらえます。
パナソニックの修理ご相談窓口
メーカーの窓口です。純正部品での修理となり、確実性が高い一方、部品保有期間を過ぎた機種は対応できません。
エコキュートの専門業者
保証が切れている場合や、交換も含めて検討したい場合の選択肢です。
依頼先を選ぶ際のポイント
・現地調査と見積もりを無料で出してくれるか ・機種を確認したうえで原因を切り分けてくれるか ・パナソニック製エコキュートの施工実績があるか ・有資格者が対応するか
関西4府県(大阪・京都・奈良・和歌山)対応|エコキュート交換のご相談
当店はエコキュート交換工事の専門店として、大阪・京都・奈良・和歌山を中心に施工を行っています。
ご相談から工事までの流れ
お問い合わせ — お電話・メール・LINEで受付 無料現地調査 — 設置状況と機器の状態を確認 お見積り — 工事前に総額をご提示 交換工事 アフターサポート — 保証・メンテナンスのご案内
ご相談前にご確認いただきたい3点
お問い合わせの際、次の3点がわかると、その場で概算をお伝えできます。
型番(貯湯ユニット側面のシール) 設置年(おおよそで構いません) エラーコード(F23)
型番シールの写真を撮って送っていただくのが最も確実です。
【修理のみのご依頼について】 当店はエコキュートの交換工事専門店のため、修理のみのご依頼は承っておりません。修理をご希望の場合は、設置された販売店、またはパナソニックの修理受付窓口へご相談ください。「修理と交換のどちらがよいか判断がつかない」という段階でのご相談は歓迎しております。無理に交換をおすすめすることはございません。
パナソニックエコキュート「F23」によくある質問
Q. エラーコードF23が表示された場合、自分で修理できますか?
周辺環境の確認までは可能ですが、修理はできません。
リセット操作と、ヒートポンプユニット周辺の障害物の除去、吸込口まわりの清掃はご自身で行っていただけます。
一方、ヒートポンプユニットの外装を開けての作業は避けてください。トランジスタモジュールには高電圧がかかっており、電源を切った直後でもコンデンサに電荷が残っているため、感電の危険があります。
Q. DCピーク異常とOCP異常は何が違いますか?
どちらも過電流を検知したことを示します。
DCピーク異常は、直流電流が設計値を超えたことを意味します。OCPはOver Current Protection、つまり過電流保護の略で、過大な電流から回路を守るための機能です。
F23はこの両方をまとめて示すコードで、機種によってどちらの表現が使われるかが異なります。
Q. リセットしたら消えました。このまま使って大丈夫ですか?
数日様子を見て、再発しなければ問題ありません。
停電や電圧変動による一時的な現象であれば、リセットで復旧して再発しません。
ただし、再び表示された場合は圧縮機、基板、ポンプ、配管のいずれかに実際の異常があります。解除を繰り返すとトランジスタモジュールが焼損する可能性がありますので、速やかに点検を依頼してください。
Q. 起動時に唸るような音がします
圧縮機が動こうとして動けていない可能性があります。
圧縮機が固着していると、回転しようとする力に対して抵抗が大きくなり、唸り音が出ることがあります。この状態では過大な電流が流れるため、F23の検知内容と一致します。
異音が続く場合は、運転を続けずに点検を依頼してください。

