長府 H3

長府製作所のエコキュートに「H3」が表示された場合、それは圧縮機(コンプレッサ)が停止しているにもかかわらず、高圧圧力スイッチが作動しているというサインです。

長府エコキュートのエラー「H3」

項目 内容
エラーの意味 圧縮機停止時にもかかわらず高圧圧力スイッチが作動
発生部位 ヒートポンプユニット側
症状 お湯が沸かせない/タンクにお湯が貯まらない(残湯は使用可)
自分で直せるか △(正常圧力の検出により自動復帰する場合あり)
修理費の目安 2万円〜/冷媒回路の異常なら15万円以上
交換を検討する目安 設置8年以上/解除後に再発する場合

まず最初にすべきこと

H3が表示されたら、次の順に確認してください。

漏電ブレーカーで解除を試す

貯湯ユニットの漏電ブレーカーを3秒以上「切」にし、再度「入」にします。

長府製作所の案内によれば、**H3は正常な圧力が検出されれば自動復帰します。**つまり、一時的に圧力が高くなっていただけであれば、解除後そのまま使い続けられます。

ヒートポンプユニットの周囲を確認する

ヒートポンプユニット(屋外機)の周りを見て、次の点を確認してください。

・吸込口や吹出口が塞がれていないか

・物置、自転車、植木鉢などを近くに置いていないか

・落ち葉やゴミ、雪が溜まっていないか

・熱交換器にホコリが詰まっていないか

ヒートポンプユニットは、周囲の空気に熱を捨てることで冷媒の圧力を下げています。運転停止後も、内部に残った熱が逃げにくい環境だと圧力が下がりきらないことがあります。

夏場や直射日光の影響を考える

真夏の高温時や、西日が長時間当たる場所に設置されている場合、停止中でもユニット内部の温度が高くなります。

冷媒は温度が上がると圧力も上がる性質があるため、外気温の影響で圧力スイッチが作動することがあります。

長府エコキュートの「H3」は圧縮機停止時の高圧圧力スイッチ作動

H3が示している状態

H3は、圧縮機が動いていないにもかかわらず、高圧圧力スイッチが作動した状態を示しています。

エコキュートは、圧縮機で冷媒を圧縮することで圧力と温度を上げ、その熱でお湯を沸かします。圧縮機が止まれば、圧力は自然に下がっていくのが正常な動作です。

高圧圧力スイッチは、圧力が危険な水準に達したときに運転を止める安全装置です。この装置が、圧縮機の停止中に作動したということは、次のいずれかが起きていることになります。

・実際に圧力が下がらず、高いままになっている

・圧力は正常だが、スイッチや配線に問題があって誤作動している

どちらであるかで、対応も費用も変わります。

A1・FAとの違い

長府製作所には、圧力に関するエラーコードが複数あります。

・FA … ヒートポンプユニットの冷媒圧力異常上昇を検出(運転中)

・A1 … 圧縮機停止時の高圧圧力スイッチ作動

・H3 … 圧縮機停止時にもかかわらず高圧圧力スイッチが作動

A1とH3は内容が非常に近く、いずれも圧縮機の停止中にスイッチが作動したことを示しています。機種や検知条件の違いによって、表示されるコードが分かれています。

FAは運転中に圧力が上昇したことを示すもので、こちらは断水や給水栓の閉止といった水側の要因が関わります。

自動復帰するという点が他のコードと異なります

長府製作所がH3の対処方法として案内しているのは、漏電ブレーカーを3秒以上切ってから入れ直すことと、正常圧力の検出により自動復帰するという内容です。

多くのエラーコードは、原因を取り除かない限り再発します。一方H3は、圧力が正常な範囲に戻れば機器が自動的に復帰する仕組みになっています。

逆に言えば、自動復帰しない場合は圧力が実際に下がっていないか、スイッチ側に問題があるということです。

H3が出ている間の症状

エラーが表示されている間、エコキュートは次の状態になります。

・新しくお湯を沸かすことができない

・タンクにお湯が貯まらない

・リモコンで沸き上げ操作をしても反応しない

・タンク内に残っているお湯は使える

残湯を使い切った時点で、お湯が出なくなります。

H3が出る前によく見られる兆候

次のような症状に心当たりがある場合、以前から不具合が進行していた可能性があります。

・沸き上げが途中で止まることがあった

・夏場や気温の高い日に出やすい

・電気代が以前より高くなっている

・ヒートポンプユニットの周囲に物を置くようになった

・以前にもH3やA1が出て、解除で消えたことがある

H3が表示される5つの原因

原因①|高圧圧力スイッチ自体の故障

スイッチそのものが故障し、正常な圧力を異常と誤検知しているケースです。

H3の名称どおりの原因であり、スイッチ交換で対応できます。費用を抑えられる原因です。

原因②|配線・コネクタの不良

スイッチと制御基板をつなぐ配線が断線している、コネクタが外れている、端子が腐食しているといったケースです。

ヒートポンプユニットは屋外に設置されているため、経年で接点が傷むことがあります。H3の中では最も軽微な原因です。

原因③|ヒートポンプ基板の故障

スイッチからの信号を受け取る側の基板が故障しているケースです。

スイッチが正常に動作していても、信号を正しく読み取れなければ異常と判断されます。この場合は基板交換で対応します。

原因④|外気温・放熱不良による圧力低下の遅れ

真夏の高温、直射日光、周囲の障害物による放熱不良などによって、停止後も圧力が下がりきらないケースです。

この場合、スイッチは正しく機能しています。環境を改善すれば解消します。

原因⑤|冷媒回路の異常

冷媒量の過多、膨張弁の固着、冷媒管の詰まりなどによって、実際に圧力が下がらないケースです。

原因の中で、費用面の影響が最も大きいのがこれです。詳しくは後述します。

エラーの強制解除方法

H3は、貯湯ユニットの漏電ブレーカーの操作で解除できます。

【解除の手順】

  1. 貯湯ユニットの漏電ブレーカーを「切」にする
  2. そのまま3秒以上待つ
  3. 再度「入」に戻す
  4. 正常な圧力が検出されれば自動復帰します

長府製作所のエコキュートでは、エラーコードによって解除方法が異なります。H3は漏電ブレーカーで解除するグループに属しており、台所リモコンの確定SW長押しでは解除できません。

解除しても再発する場合は部品の故障です

ここが判断の分かれ目になります。

一時的に圧力が高くなっていただけであれば、解除後そのまま正常に動作し、再発しません。

一方、再びH3が表示される場合は、スイッチ、配線、基板、冷媒回路のいずれかに実際の異常があります。長府製作所も、復帰しない場合や再発する場合は点検・修理を依頼するよう案内しています。

解除を繰り返しながら使い続けると、圧力の監視が効かない状態で運転させることになります。これは安全装置を無効にして使っているのと同じ状態です。

H3表示を放置するとどうなるか

お湯が使えなくなる

残湯を使い切った時点で、お湯が出なくなります。冬場であれば、その日のうちに生活に支障が出ます。

安全装置が機能しない状態で使うことになる

H3はそもそも、安全装置に関する異常です。

この状態を解除して使い続けるということは、圧力が危険な水準まで上がっても止まらない可能性がある状態で運転するということです。機器の破損リスクが高まります。

圧縮機に負荷がかかる

実際に圧力が下がっていなかった場合、その状態で運転を再開すると圧縮機に過酷な条件がかかります。

圧縮機はヒートポンプユニットの中で最も高価な部品です。ここが損傷すると、スイッチ交換で済んだはずのものが、ユニット交換になります。

修理範囲が広がる

原因が配線の接触不良だけだった場合でも、放置している間に他の部品を傷めてしまうと、数万円で済んだ修理が10万円を超えることになります。

H3が表示された時に修理できるケースとできないケース

同じH3でも、どこが原因だったかによって費用が大きく変わります。

原因箇所 修理の可否 費用の目安
外気温・一時的な圧力上昇 ◯ 自動復帰 0円
周辺環境(障害物・目詰まり) ◯ 清掃・除去で対応 出張点検料のみの場合も
配線・コネクタの不良 ◯ 修理可能 2万〜4万円程度
高圧圧力スイッチの交換 ◯ 修理可能 3万〜6万円程度
ヒートポンプ基板の交換 ◯ 修理可能 5万〜12万円程度
冷媒回路の異常 △ ユニット単位の対応 15万〜30万円程度
圧縮機の損傷 ✕ ユニット交換 20万円以上

なぜ冷媒回路の異常は部品交換で直せないのか

冷媒回路は、溶接と圧着によって密閉された閉じた系です。

内部で詰まりや冷媒量の異常が起きている場合、その原因を特定する必要がありますが、配管は保温材に覆われ、内部を目視することはできません。

また、冷媒を調整したり一箇所を通したりしても、原因が残っている以上、時間が経てば同じ症状が再発します。

そのため、冷媒回路の異常が確認された場合はヒートポンプユニットごとの交換で対応するのが一般的です。この時点で費用は本体交換に近づきます。

H3は自己解決できる可能性が比較的高いエラーです

正直にお伝えすると、H3は長府製作所自身が「正常圧力の検出により自動復帰する」と案内しているコードです。

外気温や一時的な要因で圧力が下がりきらなかっただけであれば、解除操作で復帰し、費用はかかりません。

まずは漏電ブレーカーでの解除と周辺環境の確認を試し、それでも解消しない場合に点検を依頼するという順序をおすすめします。

H3が表示された時の修理費用の目安

対応内容 費用の目安
出張・点検料 8,000〜15,000円
周辺の清掃・障害物の除去 出張点検料のみの場合も
配線・コネクタの修理 2万〜4万円
高圧圧力スイッチの交換 3万〜6万円
ヒートポンプ基板の交換 5万〜12万円
冷媒系統の対応 15万〜30万円
ヒートポンプユニット交換 20万円以上

※上記は一般的な相場です。実際の費用は現地の状況によって変動します。

修理代に保証・保険が使えるか

修理や交換の前に、費用負担が軽くなる可能性を確認しましょう。

メーカー保証・延長保証

エコキュートには、メーカーの標準保証に加えて、販売店が用意している延長保証があります。

H3で問題になる冷媒回路は、メーカーの標準保証でも本体より長い期間が設定されているのが一般的です。設置から5年以内であれば、無償修理の対象になる可能性があります。

まず、設置を依頼した販売店・工務店に連絡してください。保証書が見つからなくても、施工店の記録に残っていることがほとんどです。

火災保険が使える場合があります

エコキュートは住宅の付属設備とみなされるため、自然災害が原因の故障であれば火災保険の対象になる可能性があります。

対象になり得るのは、次のようなケースです。

・落雷(雷サージ)による基板の故障

・台風、大雨による浸水

・大雪、雪害による破損

・飛来物による物理的な破損

一方で、経年劣化による故障は対象外です。

保険申請には、修理業者が発行する原因診断書や現場写真が必要になります。心当たりがある場合は、業者に点検を依頼する段階で「保険申請を検討している」と伝えておくとスムーズです。

型番から製造年を調べる方法

保証の判断にも、修理か交換かの判断にも、設置からの経過年数が必要になります。

正確な設置年がわからない場合は、貯湯タンクユニット側面に貼られているシールを確認してください。型番と製造番号が記載されています。

製造番号から製造年が判別できるほか、型番がわかれば、その機種がいつ頃販売されていたものかを調べることができます。

お問い合わせの際は、この型番シールの写真を撮っておいていただくと、その場で判断できることが増えます。

設置から10年以上経っている場合、交換をおすすめする理由

理由①|部品がない可能性がある

メーカーの補修用性能部品の保有期間は、製造終了からおおむね10年です。

これを過ぎている機種は、修理したくても部品が存在しません。H3で交換対象となる高圧圧力スイッチやヒートポンプ基板は機種専用部品のため、代替が効きません。

長府製作所は大手メーカーに比べて流通量が少ないため、部品の確保がより難しくなることがあります。設置から10年以上経っている場合、まずここを確認する必要があります。

理由②|冷媒回路の劣化が進んでいる時期

ヒートポンプユニットの寿命は10年前後とされています。

10年を超えたタイミングでのH3は、外気温などの一時的な要因ではなく、冷媒回路が寿命を迎えているサインである可能性があります。

理由③|直しても、別の箇所が故障する可能性

エコキュートの部品は、ほぼ同時期に劣化していきます。今回スイッチを交換して直ったとしても、翌年にはポンプ、その次の年には圧縮機というように、次々と別の箇所が壊れていくのが一般的です。

10年間の総額で比較すると

設置10年のエコキュートで、修理を選んだ場合と交換を選んだ場合を比較してみます。

修理を選んだ場合 交換を選んだ場合
初回対応費 4万円(圧力スイッチ交換) 45万円(本体+工事)
2年後 12万円(基板・ポンプ) 0円(保証期間内)
5年後 25万円(冷媒回路→結局交換) 0円(保証期間内)
10年間の電気代差 旧型のまま 年間1〜2万円の削減
保証 なし 最長10年
10年間の総額 約41万円+交換費 約45万円(ここから補助金適用で最大10万円実質減額)

※金額は一般的な目安です。実際の費用は機種・設置条件により異なります。

修理を重ねた結果、総額では交換より高くつき、最終的には交換することになるというのが、10年以上使用した機器でよく起きるパターンです。

逆に、修理を選んだほうがよいケース

・解除後に自動復帰し、再発しない — 一時的な圧力上昇だった可能性があります

・夏場や気温の高い日だけに出る — 設置環境の改善で解消する可能性があります

・周辺の障害物や目詰まりが原因だった — 清掃や配置の見直しで解決します

・設置から5年以内 — 冷媒回路の保証期間内である可能性が高い時期です

・延長保証に加入している — 無償修理を受けられます

・賃貸物件にお住まいの場合 — 借主に過失がなければ、修理・交換費用は貸主(大家さん・管理会社)の負担です。ご自身で業者を手配する前に、必ず管理会社へ連絡してください

エラーコードが表示された際の相談先

設置を依頼した販売店・工務店

延長保証に加入している場合は、まずここです。保証期間内であれば無償で対応してもらえます。

長府製作所の修理相談窓口

メーカーの窓口です。純正部品での修理となり、確実性が高い一方、部品保有期間を過ぎた機種は対応できません。

エコキュートの専門業者

保証が切れている場合や、交換も含めて検討したい場合の選択肢です。

依頼先を選ぶ際のポイント

・現地調査と見積もりを無料で出してくれるか

・スイッチの故障か冷媒回路の異常かを切り分けてくれるか

・長府製作所のエコキュートを扱った実績があるか

・有資格者が対応するか

関西4府県(大阪・京都・奈良・和歌山)対応|エコキュート交換のご相談

当店はエコキュート交換工事の専門店として、大阪・京都・奈良・和歌山を中心に施工を行っています。

ご相談から工事までの流れ

お問い合わせ — お電話・メール・LINEで受付 無料現地調査 — 設置状況と機器の状態を確認 お見積り — 工事前に総額をご提示 交換工事 アフターサポート — 保証・メンテナンスのご案内

ご相談前にご確認いただきたい3点

お問い合わせの際、次の3点がわかると、その場で概算をお伝えできます。

型番(貯湯タンク側面のシール) 設置年(おおよそで構いません) エラーコード(H3)

型番シールの写真を撮って送っていただくのが最も確実です。

【修理のみのご依頼について】

当店はエコキュートの交換工事専門店のため、修理のみのご依頼は承っておりません。修理をご希望の場合は、設置された販売店、または長府製作所の修理受付窓口へご相談ください。「修理と交換のどちらがよいか判断がつかない」という段階でのご相談は歓迎しております。無理に交換をおすすめすることはございません。

長府エコキュート「H3」によくある質問

Q. エラーコードH3が表示された場合、自分で修理できますか?

解除操作と環境の確認までは可能ですが、修理はできません。

漏電ブレーカーによる解除操作と、ヒートポンプユニット周辺の障害物の除去はご自身で行っていただけます。これらが原因であれば、費用をかけずに解決できます。

一方、ヒートポンプユニットの外装を開けての作業は避けてください。内部には高電圧が流れており、感電の危険があります。冷媒を扱う作業には資格も必要です。

Q. H3とA1は何が違いますか?

内容は近く、いずれも圧縮機停止時のスイッチ作動を示します。

A1は「圧縮機停止時の高圧圧力スイッチ作動」、H3は「圧縮機停止時にもかかわらず高圧圧力SWが作動」という内容で、ほぼ同じ状態を指しています。

機種や検知条件の違いによって、表示されるコードが分かれています。対処方法はいずれも漏電ブレーカーによる解除です。

Q. ダイキンのH3と同じエラーですか?

別メーカーのコードです。

ダイキンのエコキュートにも「H3」というコードがあり、こちらは高圧圧力スイッチ系の不具合を示します。内容は近いものですが、機器の構造も解除手順も異なります。

お使いのエコキュートがどちらのメーカーかを確認したうえで、該当する情報をご覧ください。

Q. 自動復帰すると聞きましたが、本当ですか?

正常な圧力が検出されれば復帰します。

長府製作所は、H3の対処方法として漏電ブレーカーを3秒以上切ってから入れ直すこと、そして正常圧力の検出により自動復帰することを案内しています。

一時的に圧力が下がりきらなかっただけであれば、これで解決します。復帰しない場合や再発する場合は、点検・修理が必要です。