エコキュート 深夜電力

「エコキュートは深夜電力で沸かすから安い」と聞いていたのに、思ったより電気代が高いと感じていませんか。エコキュートの電気代は、契約している料金プランと、沸き上げの時間帯設定によって大きく変わります。本記事では、エコキュート交換工事専門店の視点から、関西電力のオール電化プランの時間帯と単価、今のプランで損していないかのチェック方法、沸き上げ時間の設定、そして深夜電力の最新動向まで解説します。

目次

エコキュートと深夜電力の関係

エコキュートが「深夜電力でお湯を沸かす」と言われるのはなぜでしょうか。まずは、料金プランとエコキュートの運転のしくみの関係を整理します。

エコキュートは夜間の安い電気で沸き上げる

エコキュートは、1日に使うお湯をまとめて沸かし、タンクに貯めておく給湯機です。夜間の電気料金が安いプランに加入し、その時間帯に集中して沸き上げることで、給湯にかかる電気代を抑えます。

逆に言えば、夜間が安いプランに加入していない場合や、沸き上げが昼間の高い時間帯にずれている場合は、エコキュート本来の節約効果が得られません。

料金メニューの名称

かつては「深夜電力」という、夜間だけ電気を使う機器向けの料金メニューがありました。現在、関西電力で新たにオール電化住宅として契約する場合の主力は、時間帯によって単価が変わる「はぴeタイムR」です。

一般に「深夜電力」と言うときは、このような時間帯別プランの「夜間の安い時間帯」を指すと考えてよいでしょう。

関西電力のオール電化向けプランの時間帯と単価

関西エリアでエコキュートを使うなら、関西電力のプランの時間帯と単価を知っておくことが大切です。現在の主力プランと、以前からあるプランの扱いを整理します。

「はぴeタイムR」の時間帯と単価

はぴeタイムRは、1日を3つの時間帯に分け、それぞれ単価を設定しています。

区分 時間帯 電力量料金(1kWhあたり)
デイタイム(夏季) 7〜9月の平日10時〜17時 28円87銭
デイタイム(その他季) 夏季以外の平日10時〜17時 26円24銭
リビングタイム 平日7時〜10時・17時〜23時、休日扱い日の7時〜23時 22円80銭
ナイトタイム 毎日23時〜翌7時 15円37銭

基本料金は、最初の10kWまで1契約2,409円40銭、10kWを超える1kWにつき416円94銭で、前1年間の最大使用電力にもとづく「実量制」です。これに燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金が加わります。

もっとも安いナイトタイムは、デイタイムより1kWhあたり10円以上安く設定されています。エコキュートの沸き上げは、このナイトタイムに収めるのが基本です。

出典:関西電力「はぴeタイムR」

旧プラン(はぴeプラン・はぴeタイムなど)は新規受付終了

関西電力には、「はぴeプラン」「はぴeタイム」「時間帯別電灯」「季時別電灯PS」など、以前から契約している方向けのオール電化プランがあります。これらは新規の受付を終了しており、一度ほかのプランに切り替えると、元のプランに戻すことはできません。

旧プランの中には、割引が付いていて、現在のプランより有利な条件のものもあります。「電気代を下げたい」と安易に切り替える前に、現在の契約内容を確認しましょう。

新電力のオール電化プランも選択肢

関西エリアでは、関西電力以外の電力会社もオール電化向けの料金プランを提供しています。夜間単価だけでなく、昼間の単価や基本料金、燃料費調整額の上限の有無も含めて比べることが大切です。比較サイトのシミュレーションでは、ご家庭の使用量や時間帯の内訳を入力して比較すると精度が上がります。

今のプランで損していないかチェックする方法

同じプランでも、エコキュートの設定や生活スタイルによって電気代は大きく変わります。「損していないか」を確かめる6つのチェックポイントを紹介します。

①夜間が安いプランに加入しているか

エコキュートを使っているのに、時間帯で単価が変わらない「従量電灯」のプランのままになっているケースがあります。とくに、ガス給湯器からエコキュートに替えたのに電気の契約を見直していない場合は要注意です。検針票や会員サイトでプラン名を確認しましょう。

②沸き上げがナイトタイムに収まっているか

エコキュートのリモコンで、沸き上げの時間帯がナイトタイム(23時〜翌7時)に設定されているか確認します。リモコンの時計がずれていると、沸き上げが割高な時間帯にはみ出すことがあります。停電のあとは、時計がリセットされていないかも確認しましょう。

③昼間の沸き増しが多すぎないか

お湯が足りなくなると、エコキュートは昼間に自動で沸き増しを行います。昼間の沸き増しは単価の高い時間帯の電気を使うため、頻繁に起きていると電気代が上がります。タンク容量が家族の人数に対して小さすぎないか、沸き上げ量の設定が「少なめ」になっていないかを見直しましょう。

④リモコンの料金プラン設定が合っているか

多くのエコキュートは、リモコンで契約中の電力会社と料金プランを選択し、それに合わせて沸き上げ時間を自動で決めます。プランを変更したのにリモコンの設定を変えていないと、沸き上げの時間帯がずれてしまいます。

⑤古いエコキュート・電気温水器を使い続けていないか

10年以上前のエコキュートは、最新機種に比べて効率が低いことがあります。電気温水器を使っている場合は、エコキュートに替えるだけで給湯の電気代を大幅に減らせます。使用年数が長い場合は、交換による削減効果も検討しましょう。

⑥季節による電気代の変化を理解しているか

エコキュートの電気代は、季節によって大きく変わります。冬は水道水の温度が低く、外気温も下がるため、同じ量のお湯を沸かすのに必要な電気が増えます。お湯の使用量も増えるため、冬の電気代は夏より高くなるのが普通です。

「冬に電気代が上がった」というだけでは、損をしているとは限りません。前年の同じ月と比べて大きく上がっている場合に、設定や故障を疑いましょう。

沸き上げ時間帯の設定方法

エコキュートの沸き上げ時間帯は、リモコンで設定・確認できます。ここでは一般的な設定の流れと、設定時の注意点を紹介します。

リモコンでの基本的な設定の流れ

メーカーや機種によって操作は異なりますが、一般的には次の順で設定します。

  1. 台所リモコンで現在時刻が正しいか確認する
  2. メニューから「電気料金プラン」「時間帯設定」などの項目を開く
  3. 契約中の電力会社・プラン名を選ぶ(一覧にない場合は時間帯を手動で入力)
  4. 沸き上げモード(おまかせ・多め・少なめなど)を選ぶ

詳しい操作は、お使いの機種の取扱説明書で確認してください。

プランを変更したら必ず設定も変える

電力会社や料金プランを変えたら、リモコンの設定も必ず変更しましょう。プランの時間帯とエコキュートの沸き上げ時間がずれていると、せっかく安いプランに変えても効果が出ません。

深夜電力の最新動向|昼間の沸き上げへのシフト

これまで「エコキュートは夜に沸かすもの」が常識でしたが、近年はその前提が変わりつつあります。電気料金と制度の最新の動きを紹介します。

夜間でも電気代の負担は増えている

電気料金には、使った電力量に応じて燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金が加わります。これらは時間帯に関係なく同じ単価でかかるため、単価の安い夜間ほど、上乗せ分の割合が大きくなります。2026年度(2026年5月〜2027年4月検針分)の再エネ賦課金単価は4.18円/kWhです。

さらに、政府の電気・ガス料金の支援は2026年3月末で終了しており、夜間の電気代も以前ほど安いとは言えなくなっています。

昼間が安いプランの登場と太陽光の活用

太陽光発電の普及により、昼間の電気が余る時間帯が増えています。これを受けて、各地の電力会社では、昼間の単価を安くしたプランが登場しています。日立の2026年秋以降の新機種では、中部電力ミライズの「昼とくプラン」や九州電力の「おひさま昼トクプラン」など、昼間が安いプランにリモコンで対応できるようになると発表されています。

太陽光発電のあるご家庭では、発電した電気で昼間に沸き上げる「おひさまエコキュート」も選択肢です。

補助金の要件も「昼間シフト」を重視

国の「給湯省エネ2026事業」でエコキュートの補助を受けるには、インターネットに接続でき、翌日の天気予報や日射量予報に連動して昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能を持つ機種、または「おひさまエコキュート」であることなどが要件とされています。補助額は基本額7万円/台、性能加算要件を満たせば+3万円/台です。

国の制度も、夜間だけでなく昼間の再エネを活かす方向に進んでいます。これからエコキュートを選ぶなら、こうした機能を持つ機種を選んでおくと、将来の料金プランの変化にも対応しやすくなります。

出典:給湯省エネ2026事業「対象機器の詳細(エコキュート)」/対象要件の詳細

エコキュートと深夜電力に関するよくある質問

Q1. エコキュートを使うなら、はぴeタイムRに変えるべきですか?

現在、時間帯で単価が変わらない従量電灯のプランを契約しているなら、夜間が安いはぴeタイムRなどへの変更で電気代が下がる可能性が高いです。ただし、はぴeプランなど新規受付を終了した旧プランを契約中の方は、切り替えると元に戻せないため、慎重に比較してから判断しましょう。

Q2. 昼間に沸き増しすると電気代はどれくらい上がりますか?

はぴeタイムRの場合、平日昼間のデイタイムの単価は、ナイトタイムより1kWhあたり10円以上高く設定されています。同じ量のお湯を沸かしても、昼間に沸かすほど電気代は高くなります。昼間の沸き増しが頻繁に起きる場合は、沸き上げ量の設定やタンク容量が合っているかを見直しましょう。

Q3. 太陽光発電があれば、昼間に沸き上げたほうが得ですか?

太陽光で発電した電気が余っている時間帯に沸き上げれば、電気を買わずにお湯をつくれるため、光熱費を抑えやすくなります。売電単価が買電単価より低い場合は、とくに効果的です。昼間の沸き上げに対応した機種や「おひさまエコキュート」を選ぶと、自動で効率よく運転できます。

Q4. エコキュートのリモコンの時計がずれるとどうなりますか?

リモコンの時計がずれていると、エコキュートは実際とは異なる時刻を基準に沸き上げを行います。その結果、ナイトタイムに沸かしているつもりが、単価の高いリビングタイムやデイタイムにはみ出してしまうことがあります。停電のあとや季節の変わり目など、定期的に時刻を確認しましょう。

まとめ

エコキュートの電気代を抑えるには、夜間が安い料金プランへの加入と、沸き上げをナイトタイムに収める設定の両方が欠かせません。関西電力なら「はぴeタイムR」が基準になりますが、旧プランは切り替えると戻れない点に注意が必要です。一方で、夜間の電気代の負担は増え、昼間の再エネを活かす流れも進んでいます。最新の昼間シフト対応機種への交換を検討中の方は、お気軽にお見積もり・お問い合わせください。