日立 HE03

日立のエコキュートに「HE03」が表示された場合、それはヒートポンプユニット内の冷媒圧力が異常に高くなり、運転が停止しているというサインです。

日立エコキュートのエラー「HE03」

項目 内容
エラーの意味 冷媒圧力高圧異常
発生部位 ヒートポンプユニット側/ヒートポンプ配管系統
症状 お湯が沸かせない/タンクにお湯が貯まらない(残湯は使用可)
自分で直せるか △(断水や配管が原因なら解消する場合あり)
修理費の目安 3万円〜/冷媒系統なら10万円以上
交換を検討する目安 設置8年以上/リセット後に再発する場合

まず最初にすべきこと

HE03は、機器の故障ではなく水の流れや設置環境が原因で表示されることがあります。業者を呼ぶ前に、次の3点を確認してください。

確認1|断水していないか

蛇口から水も出ない場合、家全体が断水している可能性があります。

タンクからヒートポンプへ水が供給されないと、冷媒の熱が逃げ場を失い、圧力が上昇します。この場合は断水の復旧を待つのが正解です。

お住まいの自治体の断水情報を確認してみてください。

確認2|ヒートポンプユニットの周囲を確認する

ヒートポンプユニット(屋外機)の周りを見て、次の点を確認してください。

・吸込口や吹出口が塞がれていないか

・物置、自転車、植木鉢などを近くに置いていないか

・落ち葉やゴミ、雪が溜まっていないか

・熱交換器にホコリが詰まっていないか

ヒートポンプユニットは、周囲の空気に熱を捨てることで冷媒の圧力を下げています。空気の流れが悪くなると熱が逃げず、圧力が上がります。

障害物を取り除くだけで解決するケースがあります。

確認3|リセットを試す

貯湯タンクユニットの電源スイッチ(ブレーカー)を5秒以上「切」にし、その後「入」に戻します。

リモコンに「メニューボタン 3秒以上押す」と表示された場合は、その表示どおりに操作してください。

一時的な検知であれば、これで復旧することがあります。

日立エコキュートの「HE03」は冷媒圧力高圧異常

HE03が示している状態

HE03は、ヒートポンプユニット内の冷媒圧力が、想定される数値を大きく超えている状態を示しています。

エコキュートは、冷媒に圧力をかけて液体と気体を行き来させ、その過程で空気中の熱を集めてお湯を作っています。圧力をかけること自体は正常な動作ですが、その数値が異常な範囲に達すると、機器を保護するために運転が止まります。

HE03は故障そのものというより、異常な状態を検知して安全装置が働いた結果の表示です。

圧力が上がるのは熱が逃げていないからです

冷媒の圧力が上がる背景には、ほとんどの場合「熱が逃げていない」という状況があります。

エコキュートは、圧縮して高温にした冷媒の熱を、水熱交換器で水に受け渡します。このとき水が十分に流れていなければ、熱の行き場がなくなり、冷媒の圧力と温度が下がりません。

HE03の原因に水側の要因が多く含まれるのは、このためです。

HE03が出ている間の症状

エラーが表示されている間、エコキュートは次の状態になります。

・新しくお湯を沸かすことができない

・タンクにお湯が貯まらない

・リモコンで沸き上げ操作をしても反応しない

・タンク内に残っているお湯は使える

残湯を使い切った時点で、お湯が出なくなります。

HE03が出る前によく見られる兆候

次のような症状に心当たりがある場合、以前から不具合が進行していた可能性があります。

・沸き上げが途中で止まることがあった

・沸き上げに以前より時間がかかる

・電気代が以前より高くなっている

・ヒートポンプユニットの周囲に物を置くようになった

・以前にもHE03が出て、リセットで消えたことがある

HE03が表示される6つの原因

メーカーが示す要因をもとに整理すると、原因は水側と機器側の2系統に分かれます。

水側の原因

原因①|給水されていない

断水や止水栓の閉栓によって、タンクに水が供給されていないケースです。

機器の故障ではないため、原因を取り除けば解消します。

原因②|配管・ストレーナーの詰まり

ヒートポンプ側のストレーナー(フィルター)や配管に、水垢や異物が詰まっているケースです。

水の流れが悪くなると、冷媒の熱を受け取れず圧力が上がります。清掃で改善することがあります。

原因③|ヒートポンプ配管のエア噛み

配管内に空気が溜まり、水が正常に循環していないケースです。

設置や移設の直後、あるいは水抜き作業のあとに起こりやすい症状です。HE03の原因としてよく挙げられます。

機器側の原因

原因④|給水ポンプ・循環ポンプの不具合

タンクの水をヒートポンプへ送るポンプです。

ここが弱ると、ヒートポンプに十分な水が回らず、同じく圧力が上昇します。

原因⑤|膨張弁の不具合

冷媒の流量を調整する部品です。ここが固着したり動作不良を起こすと、冷媒の流れが乱れて圧力が上がります。

原因⑥|圧力センサー・ヒートポンプ基板の不具合

圧力を検知するセンサー自体の故障、あるいは信号を処理する基板の故障です。

この場合、冷媒回路は健全です。部品交換で対応できます。

エラーの強制解除方法

HE03は、貯湯タンクユニットの電源操作で解除できます。

【解除の手順】

  1. 貯湯タンクユニットの電源スイッチ(ブレーカー)を「切」にする
  2. そのまま5秒以上待つ
  3. 再度「入」に戻す
  4. リモコンでエラー表示が消えているか確認する

リモコンに「メニューボタン 3秒以上押す」と表示される場合は、その操作でも解除できます。

解除は根本的な解決ではありません

リセットで表示が消え、その後正常に沸き上げができているのであれば、しばらく様子を見ながら使い続けて問題ありません。

一方、再びHE03が表示される場合は、配管、ポンプ、膨張弁、センサーのいずれかに実際の異常があります。この場合は点検が必要です。

解除を繰り返しながら使い続けると、高い圧力がかかった状態で圧縮機を運転させることになります。HE03はもともと圧縮機を守るために働いている保護動作です。これを無視して運転を続けると、守られるはずだった圧縮機が損傷します。

HE03表示を放置するとどうなるか

お湯が使えなくなる

残湯を使い切った時点で、お湯が出なくなります。冬場であれば、その日のうちに生活に支障が出ます。

圧縮機に負荷が蓄積する

高い圧力がかかった状態は、圧縮機にとって過酷な条件です。

圧縮機はヒートポンプユニットの心臓部にあたる部品で、ここが壊れるとユニットごとの交換になります。ストレーナーの清掃で済んだはずのものが、20万円を超える工事になるということです。

安全装置が機能しない状態で使うことになる

解除を繰り返すということは、圧力が危険な水準まで上がっても止まらない状態に近づけていくということです。機器の破損リスクが高まります。

修理範囲が広がる

複数の部品が同時に傷むと、どこから壊れたのかの判別がつきにくくなります。結果として、点検に時間がかかり、交換する部品も増えます。

HE03が表示された時に修理できるケースとできないケース

同じHE03でも、どこが原因だったかによって費用が大きく変わります。

原因箇所 修理の可否 費用の目安
断水・止水栓 ◯ 対処のみ 0円〜出張点検料のみ
周辺環境(障害物・目詰まり) ◯ 清掃・除去で対応 出張点検料のみの場合も
ストレーナーの詰まり ◯ 清掃で対応 出張点検料〜3万円程度
配管のエア噛み ◯ エア抜きで対応 1万〜3万円程度
圧力センサー・HP基板 ◯ 修理可能 3万〜8万円程度
給水・循環ポンプ ◯ 修理可能 5万円程度
膨張弁の交換 ◯ 修理可能 5万〜10万円程度
冷媒系統の異常 △ ユニット単位の対応 10万〜13万円程度
圧縮機の損傷 ✕ ユニット交換 20万円以上

なぜ冷媒系統の異常は部品交換で直せないのか

冷媒回路は、溶接と圧着によって密閉された閉じた系です。

内部で詰まりや漏れが起きている場合、その位置を特定する必要がありますが、配管は保温材に覆われ、内部を目視することはできません。

また、冷媒を補充したり一箇所を通したりしても、原因が残っている以上、時間が経てば同じ症状が再発します。

そのため、冷媒系統の異常が確認された場合はヒートポンプユニットごとの交換で対応するのが一般的です。この時点で費用は本体交換に近づきます。

どちらのケースかは点検しないとわかりません

HE03は、リモコンの表示だけでは水側の問題なのか冷媒側の故障なのかを判別できません。

出張点検料だけで済むのか、20万円かかるのかは、現地で診断して初めて確定します。見積もりを取る際は、原因の特定結果と交換部品の内訳を確認してください。

HE03が表示された時の修理費用の目安

対応内容 費用の目安
出張・点検料 8,000〜15,000円
周辺の清掃・障害物の除去 出張点検料のみの場合も
ストレーナー清掃・エア抜き 1万〜3万円
圧力センサー・HP基板交換 3万〜8万円
給水・循環ポンプ交換 52,000〜54,000円
膨張弁の交換 5万〜10万円
冷媒系統の対応 104,000〜124,000円
ヒートポンプユニット交換 20万円以上

※上記は一般的な相場です。実際の費用は現地の状況によって変動します。

HE03は、原因によって費用が0円から20万円以上まで大きく開くエラーです。

まずご自身で確認できる3点を試し、それでも解消しない場合に点検を依頼するという順序が、最も費用を抑えられます。

修理代に保証・保険が使えるか

修理や交換の前に、費用負担が軽くなる可能性を確認しましょう。

メーカー保証・延長保証

エコキュートには、メーカーの標準保証に加えて、販売店が用意している延長保証があります。

HE03で問題になる冷媒回路は、メーカーの標準保証でも本体より長い期間が設定されているのが一般的です。設置から5年以内であれば、無償修理の対象になる可能性があります。

まず、設置を依頼した販売店・工務店に連絡してください。保証書が見つからなくても、施工店の記録に残っていることがほとんどです。

火災保険が使える場合があります

エコキュートは住宅の付属設備とみなされるため、自然災害が原因の故障であれば火災保険の対象になる可能性があります。

対象になり得るのは、次のようなケースです。

・落雷(雷サージ)による基板の故障

・台風、大雨による浸水

・大雪、雪害による破損

・飛来物による物理的な破損

一方で、経年劣化による故障は対象外です。

保険申請には、修理業者が発行する原因診断書や現場写真が必要になります。心当たりがある場合は、業者に点検を依頼する段階で「保険申請を検討している」と伝えておくとスムーズです。

型番から製造年を調べる方法

保証の判断にも、修理か交換かの判断にも、設置からの経過年数が必要になります。

正確な設置年がわからない場合は、貯湯タンクユニット側面に貼られているシールを確認してください。型番と製造番号が記載されています。

製造番号から製造年が判別できるほか、型番がわかれば、その機種がいつ頃販売されていたものかを調べることができます。

お問い合わせの際は、この型番シールの写真を撮っておいていただくと、その場で判断できることが増えます。

設置から10年以上経っている場合、交換をおすすめする理由

理由①|部品がない可能性がある

メーカーの補修用性能部品の保有期間は、製造終了からおおむね10年です。

これを過ぎている機種は、修理したくても部品が存在しません。HE03で交換対象となる膨張弁やヒートポンプ基板は機種専用部品のため、代替が効きません。

設置から10年以上経っている場合、まずここを確認する必要があります。

理由②|冷媒回路の劣化が進んでいる時期

ヒートポンプユニットの寿命は10年前後とされています。

10年を超えたタイミングでのHE03は、環境要因やセンサー単体の故障ではなく、冷媒回路が寿命を迎えているサインである可能性があります。

理由③|直しても、別の箇所が故障する可能性

エコキュートの部品は、ほぼ同時期に劣化していきます。今回センサーを交換して直ったとしても、翌年にはポンプ、その次の年には圧縮機というように、次々と別の箇所が壊れていくのが一般的です。

10年間の総額で比較すると

設置10年のエコキュートで、修理を選んだ場合と交換を選んだ場合を比較してみます。

修理を選んだ場合 交換を選んだ場合
初回対応費 5万円(センサー・ポンプ交換) 45万円(本体+工事)
2年後 12万円(膨張弁・基板) 0円(保証期間内)
5年後 25万円(冷媒系統→結局交換) 0円(保証期間内)
10年間の電気代差 旧型のまま 年間1〜2万円の削減
保証 なし 最長10年
10年間の総額 約42万円+交換費 約45万円(ここから補助金適用で最大10万円実質減額)

※金額は一般的な目安です。実際の費用は機種・設置条件により異なります。

修理を重ねた結果、総額では交換より高くつき、最終的には交換することになるというのが、10年以上使用した機器でよく起きるパターンです。

逆に、修理を選んだほうがよいケース

・断水や止水栓が原因だった — そもそも故障ではありません

・周辺の障害物や目詰まりが原因だった — 清掃や配置の見直しで解決します

・設置から5年以内 — 冷媒回路の保証期間内である可能性が高い時期です

・延長保証に加入している — 無償修理を受けられます

・賃貸物件にお住まいの場合 — 借主に過失がなければ、修理・交換費用は貸主(大家さん・管理会社)の負担です。ご自身で業者を手配する前に、必ず管理会社へ連絡してください

エラーコードが表示された際の相談先

設置を依頼した販売店・工務店

延長保証に加入している場合は、まずここです。保証期間内であれば無償で対応してもらえます。

日立の修理相談窓口

メーカーの窓口です。純正部品での修理となり、確実性が高い一方、部品保有期間を過ぎた機種は対応できません。

エコキュートの専門業者

保証が切れている場合や、交換も含めて検討したい場合の選択肢です。

依頼先を選ぶ際のポイント

・現地調査と見積もりを無料で出してくれるか

・水側の問題か冷媒側の故障かを切り分けてくれるか

・日立製エコキュートの施工実績があるか

・有資格者が対応するか

関西4府県(大阪・京都・奈良・和歌山)対応|エコキュート交換のご相談

当店はエコキュート交換工事の専門店として、大阪・京都・奈良・和歌山を中心に施工を行っています。

ご相談から工事までの流れ

お問い合わせ — お電話・メール・LINEで受付 無料現地調査 — 設置状況と機器の状態を確認 お見積り — 工事前に総額をご提示 交換工事 アフターサポート — 保証・メンテナンスのご案内

ご相談前にご確認いただきたい3点

お問い合わせの際、次の3点がわかると、その場で概算をお伝えできます。

型番(貯湯タンク側面のシール) 設置年(おおよそで構いません) エラーコード(HE03)

型番シールの写真を撮って送っていただくのが最も確実です。

【修理のみのご依頼について】

当店はエコキュートの交換工事専門店のため、修理のみのご依頼は承っておりません。修理をご希望の場合は、設置された販売店、または日立の修理受付窓口へご相談ください。「修理と交換のどちらがよいか判断がつかない」という段階でのご相談は歓迎しております。無理に交換をおすすめすることはございません。

日立エコキュート「HE03」によくある質問

Q. エラーコードHE03が表示された場合、自分で修理できますか?

原因の確認までは可能ですが、修理はできません。

断水の確認、ヒートポンプユニット周辺の障害物の除去、リセット操作はご自身で行っていただけます。これらが原因であれば、費用をかけずに解決できます。

一方、ヒートポンプユニットの外装を開けての作業は避けてください。内部には高電圧が流れており、感電の危険があります。冷媒を扱う作業には資格も必要です。

Q. HE03とHE19は何が違いますか?

検知している対象が異なります。

HE03は冷媒の圧力が高くなりすぎた状態、HE19は冷媒の吐出温度が高くなりすぎた状態を示します。

圧力と温度は連動するため原因に重なる部分も多いのですが、検知する箇所と診断の手順が変わります。

Q. 室外機の周りに物を置いていますが、関係ありますか?

関係する可能性があります。

ヒートポンプユニットは、周囲の空気に熱を捨てることで冷媒の圧力を下げています。吸込口や吹出口が塞がれていると熱が逃げず、圧力が上がります。

物置、植木、積雪、落ち葉などで空気の流れが遮られていないか確認してください。障害物を取り除くだけで解決する場合があります。

Q. 解除したらすぐまた表示されます

実際の異常が起きているサインです。

一時的な検知であれば、解除後に再発しません。繰り返し出るということは、配管、ポンプ、膨張弁、センサーのいずれかに問題があります。

解除を繰り返して運転させると、守られるはずだった圧縮機が損傷します。速やかに点検を依頼してください。