パナソニックF20

パナソニックのエコキュートに「F20」が表示された場合、それは圧縮機から吐き出される冷媒配管の温度が異常に高くなっているというサインです。

目次

パナソニックエコキュートのエラー「F20」

項目 内容
エラーの意味 吐出管温度異常(吐出管サーミスターの温度が異常に高い)
発生部位 ヒートポンプユニット側
症状 お湯が沸かせない/タンクにお湯が貯まらない(残湯は使用可)
自分で直せるか ✕(リセットで一時復帰する場合あり)
修理費の目安 3万円〜/冷媒管の詰まりなら20万円以上
交換を検討する目安 設置8年以上/リセット後に再発する場合

まず最初にすべきこと

F20が表示されたら、次の順に確認してください。

ヒートポンプユニットの周囲を確認する

ヒートポンプユニット(屋外機)の周りを見て、次の点を確認してください。

・吸込口や吹出口が塞がれていないか ・落ち葉やゴミ、雪が溜まっていないか ・物置や植木で風の通り道が遮られていないか ・熱交換器(背面のフィン部分)にホコリが詰まっていないか

ヒートポンプユニットは、周囲の空気とやり取りしながら冷媒の温度をコントロールしています。空気の流れが悪くなると熱が逃げず、吐出管の温度が上がりすぎることがあります。

障害物を取り除くだけで解決するケースがあります。

リセットを試す

貯湯ユニットの漏電遮断器を「切」にし、1分ほど待ってから「入」に戻します。

基板の一時的な誤作動であれば、これで復旧することがあります。手順の詳細は後述します。

パナソニックエコキュートの「F20」は吐出管温度異常

F20が示している状態

F20は、吐出管サーミスターが検知している温度が、想定される範囲を超えて高くなっている状態を示しています。

エコキュートは、圧縮機で冷媒を圧縮して高温にし、その熱を水に受け渡してお湯を作ります。圧縮機から出た直後の配管を吐出管といい、ここは運転中に高温になる場所です。

ただし、高温になるといっても限度があります。想定を超える温度に達すると、圧縮機の損傷につながるため、機器は運転を停止します。

F20は、この保護動作が働いた状態を示しています。

F20が出ている間の症状

エラーが表示されている間、エコキュートは次の状態になります。

・新しくお湯を沸かすことができない ・タンクにお湯が貯まらない ・リモコンで沸き上げ操作をしても反応しない ・タンク内に残っているお湯は使える

残湯を使い切った時点で、お湯が出なくなります。

F20が出る前によく見られる兆候

次のような症状に心当たりがある場合、以前から不具合が進行していた可能性があります。

・沸き上げが途中で止まることがあった ・沸き上げに以前より時間がかかる ・電気代が以前より高くなっている ・ヒートポンプユニットの周囲に物を置くようになった ・以前にもF20が出て、リセットで消えたことがある

F20が表示される4つの原因

パナソニックが示す処置内容をもとに整理すると、原因は次のように分類できます。

原因①|吐出管サーミスターの故障

温度を検知するセンサーそのものが故障し、実際とは異なる高い値を出力しているケースです。

センサーの抵抗値を点検し、異常があれば交換します。F20の中では費用を抑えられる原因です。

原因②|電子膨張弁(膨張弁コイル)の不具合

冷媒の流量を調整する部品です。

膨張弁が適切に開閉しないと、冷媒の流れが偏り、吐出管の温度が上がりすぎることがあります。二相間の抵抗値を点検し、異常があればコイルを交換します。

原因③|冷媒管の詰まり

冷媒回路の内部で流れが妨げられているケースです。

冷媒が正常に循環しないと、圧縮機で作られた熱が逃げ場を失い、吐出管の温度が上昇します。パナソニックの処置内容でも、この場合はヒートポンプユニットでの対応と示されています。つまり部品単位ではなく、ユニット単位での対応になるということです。

F20の原因の中で、費用面の影響が最も大きいのがこれです。

原因④|ヒートポンプユニット周辺の環境

熱交換器の目詰まり、吸込口や吹出口を塞ぐ障害物などによって、放熱がうまくいかないケースです。

冷媒が熱を捨てられないため、温度が下がらず保護動作に至ります。清掃や障害物の除去で解決する場合があります。

エラーの強制解除方法

F20は、貯湯ユニットの漏電遮断器を操作することで解除できます。

【解除の手順】

  1. 貯湯ユニットの漏電遮断器を「切」にする
  2. そのまま1分程度待つ
  3. 再度「入」に戻す
  4. リモコンでエラー表示が消えているか確認する

基板の一時的な誤作動であれば、これで復旧することがあります。

解除しても再発する場合は部品の故障です

ここが判断の分かれ目になります。

リセット後、再びF20が表示される場合、一時的な誤作動ではありません。サーミスター、膨張弁、冷媒回路のいずれかに実際の異常があります。

解除を繰り返しながら使い続けると、高温状態で圧縮機を運転させることになります。F20はもともと圧縮機を守るために働いている保護動作です。これを無視して運転を続けると、守られるはずだった圧縮機が損傷します。

一度リセットで復旧しても、再発した場合は使用を中止し、点検を依頼してください。

F20表示を放置するとどうなるか

お湯が使えなくなる

残湯を使い切った時点で、お湯が出なくなります。

圧縮機が損傷する

F20は圧縮機を保護するための停止です。

これを解除して運転を続けると、圧縮機が高温にさらされ続けることになります。圧縮機はヒートポンプユニットの中で最も高価な部品であり、ここが損傷するとユニットごとの交換になります。

サーミスター交換で済んだはずのものが、20万円を超える工事になるということです。

冷媒管の詰まりが進行する

原因が冷媒管の詰まりだった場合、放置している間に状況が悪化します。

異物や劣化物が回路内を移動し、詰まりの範囲が広がることがあります。

原因の特定が難しくなる

複数の部品が同時に傷むと、どこから壊れたのかの判別がつきにくくなります。結果として、点検に時間がかかり、交換する部品も増えます。

F20が表示された時に修理できるケースとできないケース

同じF20でも、どこが原因だったかによって費用が大きく変わります。

原因箇所 修理の可否 費用の目安
周辺環境(障害物・目詰まり) ◯ 清掃・除去で対応 出張点検料のみの場合も
吐出管サーミスター ◯ 修理可能 3万〜5万円程度
電子膨張弁(コイル) ◯ 修理可能 4万〜8万円程度
冷媒管の詰まり △ ユニット単位の対応 15万〜30万円程度
圧縮機の損傷 ✕ ユニット交換 20万円以上

なぜ冷媒管の詰まりは部品交換で直せないのか

冷媒回路は、溶接と圧着によって密閉された閉じた系です。

詰まりが起きている場合、どの位置で詰まっているのかを特定する必要がありますが、配管は保温材に覆われ、内部を目視することはできません。

また、詰まりの原因となった異物や劣化物は、一箇所だけに留まっているとは限りません。仮に一箇所を通したとしても、別の箇所で再び詰まる可能性が残ります。

そのため、冷媒管の詰まりが確認された場合はヒートポンプユニットごとの交換で対応するのが一般的です。この時点で費用は本体交換に近づきます。

どちらのケースかは点検しないとわかりません

F20は、リモコンの表示だけではサーミスターの故障なのか冷媒管の詰まりなのかを判別できません。

数万円で直るのか、20万円かかるのかは、現地でヒートポンプユニットを開けて診断して初めて確定します。見積もりを取る際は、原因の特定結果と交換部品の内訳を確認してください。

F20が表示された時の修理費用の目安

対応内容 費用の目安
出張・点検料 8,000〜15,000円
周辺の清掃・障害物の除去 出張点検料のみの場合も
吐出管サーミスター交換 3万〜5万円
膨張弁コイル交換 4万〜8万円
冷媒系統の対応 15万〜30万円
ヒートポンプユニット交換 20万円以上

※上記は一般的な相場です。実際の費用は現地の状況によって変動します。

F20は、サーミスター交換で済めば3万円台から、冷媒管の詰まりまで及ぶと20万円を超えるという幅の広さが特徴です。

見積もりを取る際は、原因の特定結果と、それに対する費用の内訳を確認してください。

修理代に保証・保険が使えるか

修理や交換の前に、費用負担が軽くなる可能性を確認しましょう。

メーカー保証・延長保証

エコキュートには、メーカーの標準保証に加えて、販売店が用意している延長保証があります。

F20で問題になる冷媒回路は、メーカーの標準保証でも本体より長い期間が設定されているのが一般的です。設置から5年以内であれば、無償修理の対象になる可能性があります。

まず、設置を依頼した販売店・工務店に連絡してください。保証書が見つからなくても、施工店の記録に残っていることがほとんどです。

火災保険が使える場合があります

エコキュートは住宅の付属設備とみなされるため、自然災害が原因の故障であれば火災保険の対象になる可能性があります。

対象になり得るのは、次のようなケースです。

・落雷(雷サージ)による基板の故障 ・台風、大雨による浸水 ・大雪、雪害による破損 ・飛来物による物理的な破損

一方で、経年劣化による故障は対象外です。

保険申請には、修理業者が発行する原因診断書や現場写真が必要になります。心当たりがある場合は、業者に点検を依頼する段階で「保険申請を検討している」と伝えておくとスムーズです。

型番から製造年を調べる方法

保証の判断にも、修理か交換かの判断にも、設置からの経過年数が必要になります。

正確な設置年がわからない場合は、貯湯ユニット側面に貼られているシールを確認してください。型番と製造番号が記載されています。

製造番号から製造年が判別できるほか、型番がわかれば、その機種がいつ頃販売されていたものかを調べることができます。

お問い合わせの際は、この型番シールの写真を撮っておいていただくと、その場で判断できることが増えます。

設置から10年以上経っている場合、交換をおすすめする理由

理由①|部品がない可能性がある

メーカーの補修用性能部品の保有期間は、製造終了からおおむね10年です。

これを過ぎている機種は、修理したくても部品が存在しません。F20で交換対象となる吐出管サーミスターや膨張弁コイルは機種専用部品のため、代替が効きません。

設置から10年以上経っている場合、まずここを確認する必要があります。

理由②|冷媒回路の劣化が進んでいる時期

ヒートポンプユニットの寿命は10年前後とされています。

冷媒管の詰まりは、回路内の部品が経年で劣化し、その破片や生成物が流れることによって起こります。10年を超えたタイミングでのF20は、センサー単体の故障ではなく、冷媒回路が寿命を迎えているサインである可能性があります。

理由③|直しても、別の箇所が故障する可能性

エコキュートの部品は、ほぼ同時期に劣化していきます。今回サーミスターを交換して直ったとしても、翌年にはポンプ、その次の年には圧縮機というように、次々と別の箇所が壊れていくのが一般的です。

10年間の総額で比較すると

設置10年のエコキュートで、修理を選んだ場合と交換を選んだ場合を比較してみます。

修理を選んだ場合 交換を選んだ場合
初回対応費 4万円(サーミスター交換) 45万円(本体+工事)
2年後 12万円(膨張弁・基板) 0円(保証期間内)
5年後 25万円(冷媒管詰まり→結局交換) 0円(保証期間内)
10年間の電気代差 旧型のまま 年間1〜2万円の削減
保証 なし 最長10年
10年間の総額 約41万円+交換費 約45万円(ここから補助金適用で最大10万円実質減額)

※金額は一般的な目安です。実際の費用は機種・設置条件により異なります。

修理を重ねた結果、総額では交換より高くつき、最終的には交換することになるというのが、10年以上使用した機器でよく起きるパターンです。

逆に、修理を選んだほうがよいケース

・周辺の障害物や目詰まりが原因だった — 清掃や配置の見直しで解決します 

・設置から5年以内 — 冷媒回路の保証期間内である可能性が高い時期です 

・延長保証に加入している — 無償修理を受けられます 

・賃貸物件にお住まいの場合 — 借主に過失がなければ、修理・交換費用は貸主(大家さん・管理会社)の負担です。ご自身で業者を手配する前に、必ず管理会社へ連絡してください

 ・火災保険が適用される場合 — 保険金で修理費をまかなえる可能性があります

エラーコードが表示された際の相談先

設置を依頼した販売店・工務店

延長保証に加入している場合は、まずここです。保証期間内であれば無償で対応してもらえます。

パナソニックの修理ご相談窓口

メーカーの窓口です。純正部品での修理となり、確実性が高い一方、部品保有期間を過ぎた機種は対応できません。

エコキュートの専門業者

保証が切れている場合や、交換も含めて検討したい場合の選択肢です。

依頼先を選ぶ際のポイント

・現地調査と見積もりを無料で出してくれるか ・原因の特定結果と交換部品を明示してくれるか ・パナソニック製エコキュートの施工実績があるか ・有資格者が対応するか

関西4府県(大阪・京都・奈良・和歌山)対応|エコキュート交換のご相談

当店はエコキュート交換工事の専門店として、大阪・京都・奈良・和歌山を中心に施工を行っています。

ご相談から工事までの流れ

お問い合わせ — お電話・メール・LINEで受付 無料現地調査 — 設置状況と機器の状態を確認 お見積り — 工事前に総額をご提示 交換工事 アフターサポート — 保証・メンテナンスのご案内

ご相談前にご確認いただきたい3点

お問い合わせの際、次の3点がわかると、その場で概算をお伝えできます。

型番(貯湯ユニット側面のシール) 設置年(おおよそで構いません) エラーコード(F20)

型番シールの写真を撮って送っていただくのが最も確実です。

【修理のみのご依頼について】 当店はエコキュートの交換工事専門店のため、修理のみのご依頼は承っておりません。修理をご希望の場合は、設置された販売店、またはパナソニックの修理受付窓口へご相談ください。「修理と交換のどちらがよいか判断がつかない」という段階でのご相談は歓迎しております。無理に交換をおすすめすることはございません。

パナソニックエコキュート「F20」によくある質問

Q. エラーコードF20が表示された場合、自分で修理できますか?

周辺環境の確認までは可能ですが、修理はできません。

リセット操作と、ヒートポンプユニット周辺の障害物の除去、吸込口まわりの清掃はご自身で行っていただけます。これらが原因であれば、費用をかけずに解決できます。

一方、ヒートポンプユニットの外装を開けての作業は避けてください。内部には高電圧が流れており、感電の危険があります。冷媒を扱う作業には資格も必要です。

Q. リセットしたら消えました。このまま使って大丈夫ですか?

数日様子を見て、再発しなければ問題ありません。

基板の一時的な誤作動であれば、リセットで復旧して再発しません。

ただし、再発した場合は保護動作が正しく働いている状態です。解除を繰り返して運転させると、守られるはずだった圧縮機が損傷します。速やかに点検を依頼してください。

Q. 室外機の周りに物を置いていますが、関係ありますか?

関係する可能性があります。

ヒートポンプユニットは、周囲の空気とやり取りしながら冷媒の温度をコントロールしています。吸込口や吹出口が塞がれていると熱が逃げず、吐出管の温度が上がりすぎます。

物置、植木、積雪、落ち葉などで空気の流れが遮られていないか確認してください。障害物を取り除くだけで解決する場合があります。

Q. 修理費用はいくらぐらいかかりますか?

原因によって数万円から20万円以上まで幅があります。

サーミスターや膨張弁コイルの交換であれば数万円程度で収まります。一方、冷媒管の詰まりだった場合はヒートポンプユニットの対応となり、20万円を超えることがあります。

原因は点検しないと確定しないため、見積もりの際に交換部品の内訳を確認してください。