
薄型エコキュートは、限られたスペースにも設置しやすいことから、都市部の住宅やマンションを中心に注目が高まっています。しかし、一般的な角型との違いを十分に理解していないと、使い勝手の差やコスト面でのギャップを感じてしまう場合もあります。
本記事では、薄型ならではの特徴をはじめ、角型との比較、導入時のメリット・デメリットをわかりやすく整理します。自宅に最適なタイプを選ぶための判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。
Table of Contents
薄型エコキュートとは?
薄型エコキュートは、貯湯タンクの奥行きを抑えることで、省スペースでの設置を可能にした給湯器です。タンクを横方向に長くし、さらに縦にも高さを持たせた構造によって、一般的な角型エコキュートと同等の貯湯容量を確保しています。狭小地や通路沿い、住宅の壁際など、設置条件が限られる住まいでも導入しやすい点が特徴です。

「薄型」と「角型」の違い

薄型エコキュートと角型エコキュートは、見た目だけでなく、設置条件や容量、選べる機種など、さまざまな点に違いがあります。
ここでは、薄型と角型の主な違いを紹介します。
本体サイズ
薄型は奥行きを抑え、その分横幅と高さを伸ばした形状が特徴です。一方、角型は横幅と奥行きがほぼ同程度の正方形に近い形状で、高さによって容量を確保します。設置面積の取り方が異なるため、敷地条件に応じた選択が重要になります。
設置スペース
薄型は奥行きが小さいため、通路沿いや隣地との距離が限られた場所でも設置しやすく、狭小地や都市部の住宅で選ばれることが多いタイプです。これに対して、角型は設置条件の汎用性が高く、十分な奥行きを確保できる住宅に適しています。
タンクの構造
薄型はタンクを横に広げ、高さを持たせる構造となっており、奥行きを抑えながら必要な貯湯量を確保できるように設計されています。一方で、角型はタンクを縦方向に積み上げる構造で、シンプルかつ安定性に優れています。
貯湯容量
薄型は主に370Lと460Lが中心で、容量自体は角型と同等でも、超大容量モデルは少ない傾向があります。これに対して、角型は370L・460L・540Lなど容量の選択肢が豊富で、大家族にも対応しやすいのが特徴です。
見た目の印象
薄型は横長でスリムな外観となるため、壁際に沿わせて設置すると圧迫感が出にくく、外観をすっきり見せたい場合に適しています。一方、角型は安定感のある印象を与えやすく、設置場所を選ばない点が魅力です。
価格帯
一般的に、薄型は構造が特殊で選択肢も限られるため、同容量の角型に比べて本体価格がやや高くなる傾向があります。その反面、角型は流通量が多く、価格帯も比較的抑えられています。
機種の種類
薄型は対応メーカーやモデル数が限られており、希望する機種が選べない場合もあるため、事前の確認が欠かせません。対照的に、角型は各メーカーが主力として展開しており、機能やグレードの選択肢が豊富です。

薄型エコキュートのサイズ感と容量の目安
薄型エコキュートを導入する際には、設置スペースだけでなく、容量が生活に合っているかを確認することが欠かせません。
ここでは、薄型エコキュートのサイズ感と容量の目安を解説します。
370L・460Lタイプのサイズ感
薄型エコキュートでは、主に370Lと460Lの2つの容量タイプが展開されています。
ここでは、それぞれのサイズ感や特徴を見ていきましょう。
370Lタイプ
370Lタイプの薄型エコキュートは、3~5人世帯を想定した容量で、日常的な入浴やシャワー利用に十分対応できます。奥行きを抑えた設計のため、通路沿いや隣地との距離が限られる住宅でも設置しやすく、省スペース性と実用性のバランスに優れたモデルです。
460Lタイプ
460Lタイプは4~7人世帯向けの容量で、複数人が続けて入浴する家庭や、湯量を多く使う生活スタイルにも対応可能です。370Lに比べて本体はやや大きくなりますが、薄型構造により奥行きは抑えられており、設置条件を確保しやすい点が特徴です。
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家族の人数に応じた容量の選び方
薄型エコキュートの容量は、家族の人数を基準にしつつ、ライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。入浴が集中する時間帯、追いだき機能の有無、シャワーの使用量などによって、必要な湯量は変わります。将来的な家族構成の変化も見据え、余裕を持った容量を選んでおくと安心です。
容量不足が原因で起こりやすいトラブル
エコキュートの容量が不足すると、日常生活の中でさまざまな不便が生じやすくなります。お湯が足りずに追加の沸き上げが必要になったり、電気料金の高い時間帯に運転せざるを得ず、結果的に光熱費が増えることもあります。
さらに、入浴のたびに残りの湯量を気にしなければならず、暮らしのストレスにつながる点にも注意が必要です。

薄型エコキュートを選ぶメリット

薄型エコキュートには、省スペース性以外にもさまざまな利点があります。
ここでは、薄型エコキュートを選ぶ主なメリットを見ていきましょう。
限られた敷地でも設置しやすい
薄型エコキュートは、貯湯タンクの奥行きを抑えた設計により、設置スペースが限られる住宅でも導入しやすい点が特徴です。
隣家とのすき間や通路沿い、建物脇など、角型では設置が難しい場所にも対応しやすく、敷地条件に制約がある場合の有力な選択肢となります。
搬入・搬出が比較的スムーズ
薄型エコキュートは横に長い形状のため、本体を運び入れる際に向きを調整しやすく、搬入作業が比較的スムーズに行えます。
通路が狭い住宅や作業スペースが限られる現場でも対応しやすく、交換工事や将来の撤去時の負担を抑えられる点もメリットです。
建物や景観と調和しやすい
設置後の見た目を重視したい場合にも、薄型エコキュートは適しています。横長で存在感が控え目な形状のため、外観に与える影響を抑えやすく、設備が目立ちにくい点が魅力です。こうした特性から、住宅デザインや周辺環境との一体感も生まれやすくなります。

薄型エコキュートのデメリット

薄型エコキュートは多くの利点がある一方で、導入前に把握しておきたい注意点も存在します。
ここでは、薄型エコキュートの主なデメリットを紹介します。
選べる機種が限られる
薄型エコキュートは形状や設計が特殊なため、角型に比べて対応機種やシリーズが限られる傾向があります。メーカーやシリーズが限定され、希望する機能やグレードが選べない場合もあるため、事前に機種の選択肢を確認しておくことが重要です。
角型に比べて価格が高くなりやすい
同じ容量でも、角型に比べて本体価格が高くなる傾向がある点も、薄型エコキュートのデメリットの一つです。初期費用が割高になりやすいため、導入コストを重視する方にとってはマイナスポイントといえるでしょう。
耐震性能が低下する
薄型は横幅が広く高さもある構造のため、設置条件によっては重心が高くなり、耐震面への配慮が求められる場合があります。多くの製品では耐震設計が施されていますが、設置方法や基礎工事の内容によって安全性が左右される点には注意が必要です。

薄型エコキュートが向いている住まいとは?
薄型エコキュートのメリットを得るためには、住まいやライフスタイルに合っているかを見極めることが重要です。
ここでは、薄型エコキュートが向いている住まいについて解説します。
十分な設置スペースが確保できない
敷地に余裕がなく、貯湯タンクの奥行きを十分に確保できない住宅には、薄型エコキュートが適しています。隣家との距離が近い場合や通路沿い、建物脇など、角型では設置が難しい条件でも対応しやすく、限られたスペースを有効活用したい住まいに向いたタイプといえます。
外観をすっきり見せたい
設備の存在感を抑え、住宅全体の見た目を整えたい場合にも、薄型エコキュートは好相性です。奥行きが控えめで壁に沿って設置しやすいため、外観の出っ張りを抑えながら、外壁やエクステリアと調和した配置が可能です。
使用湯量が比較的少ない
家族の人数が少ない世帯や、湯船をあまり使わない家庭、シャワーの使用量が多くない生活スタイルであれば、薄型エコキュートでも十分に対応できます。使用状況に合った容量の機種を選ぶことで、薄型ならではのメリットをしっかりと生かせます。

メーカー別に見る薄型エコキュートの特徴
薄型エコキュートは、メーカーごとに省エネ性能や水圧、操作のしやすさなどに違いがあります。
ここでは、主なメーカー別に見る薄型エコキュートの特徴を紹介します。
パナソニック
パナソニックの薄型エコキュートは、省エネ性と機能性のバランスに優れている点が特徴です。人の出入りを検知して無駄な加熱を抑える機能や、節水につながるシャワー機能、スマートフォンでの操作にも対応しており、使いやすさを重視した設計となっています。
ダイキン
ダイキンの薄型エコキュートは、高い給湯圧を重視した設計が魅力です。シャワー使用時でも勢いが落ちにくく、浴室とキッチンで同時に給湯しても湯量が安定しやすい点が評価されています。さらに、専用アプリによる操作にも対応しており、水圧や複数個所での同時使用、操作性を重視する家庭に選ばれやすいメーカーといえるでしょう。
三菱電機
三菱電機の薄型エコキュートは、日常の給湯や入浴シーンで使いやすい機能を備えつつ、省エネ運転にも配慮された設計となっています。入浴に合わせて暖房を調整する機能や、天気予報と連動した沸き上げ調整にも対応。オプションでのスマートフォン操作も可能で、機能と価格のバランスを重視したい家庭におすすめのモデルです。
コロナ
コロナの薄型エコキュートは、必要な機能を押さえたシンプルな仕様で、初めて導入する家庭でも扱いやすい点が特徴です。薄型モデルでも安定した給湯性能を確保しており、実用性を重視する方にふさわしい選択肢といえます。
日立
日立の薄型エコキュートでは、操作のしやすさや清潔性に配慮した設計が採用されています。湯張りと給湯で温度を分けて設定できる機能や、湯量を抑える節水サポート機能を搭載。タンクの汚れ対策や配管の自動洗浄にも対応しており、管理のしやすさを重視する家庭に適しています。

薄型エコキュートの価格相場

薄型エコキュートの価格相場は容量や機能によって変動します。主要メーカーの機種を比較すると370Lで約95万〜125万円前後、460Lで約106万〜139万円前後が目安となります。平均価格で見た場合、同容量の角型より5万〜15万円程度高くなる傾向があります。

薄型エコキュートを選ぶ際の注意点
薄型エコキュートの導入にあたっては、いくつか注意すべき点があります。
まず、貯湯容量が家族の人数やお湯の使い方に合っていないと、湯切れや光熱費の増加につながることがあります。また、エコキュート特有の運転音への配慮が必要になる場合や、マンションに設置する場合は重量・工事内容に関する事前確認も欠かせません。
後悔のない選択につなげるためにも、これらの注意点を踏まえたうえで検討することが大切です。

設置環境とライフスタイルに合った薄型エコキュートを選ぼう
薄型エコキュートには、省スペース性や設置のしやすさといった利点がある一方で、選べる機種が限られていたり角型に比べて価格が高めだったりと、事前に確認しておきたいポイントも存在します。最適な一台を選ぶには、家族構成やお湯の使い方など、日々のライフスタイルを踏まえて検討することが重要です。
住まいの条件に合ったタイプを選ぶことで、薄型ならではのメリットを最大限に生かし、快適で無理のない給湯環境を整えることができます。