
「エコキュートは太陽光発電をセットにしたらお得って、本当に?」
「連携機能にはどんなものがある?」
このようにエコキュート単体ではなく太陽光とのセットになると、制度や機能などについて、さまざまな疑問が生じませんか?
本記事では、エコキュート+太陽光発電の特徴・光熱費が下がる仕組みを解説します。
メーカー別の太陽光発電連携機能や、連携に必要なものを含めたQ&Aまで幅広く紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
Table of Contents
エコキュートと太陽光発電の基礎知識
エコキュートはヒートポンプ技術を活用して、空気の熱を利用してお湯を沸かす仕組みです。少ない電力で効率よくお湯を沸かせるため、年間の電気代を節約できるという点が大きなメリットです。
一方の太陽光発電は、屋根に設置したパネルで昼間の太陽の光を電気に変えます。発電された電気は自宅で使う、あるいは余った場合は電力会社に買い取ってもらうことも可能です。
しかし近年では、買取単価が安くなったという背景があるため、自家消費するのか、あるいは買い取ってもらうのか、これらを慎重に検討する必要があるでしょう。

買取価格が年々安くなっている!FIT制度とは?
FIT制度とは、経済産業省が定めた再生可能エネルギーの固定価格の買取制度です。
太陽光発電システムも対象とした制度ですが、2010年代の前半では40〜30円台をキープしていました。
しかし、先述した通り、買取価格は年々下がっており、以下の表のように大きな価格差が生じています。
| 売電開始年度 | 10kW未満 | FIT満了年度 |
|---|---|---|
| 2012年(平成24年度) | 42円 | 2022年 |
| 2013年(平成25年度) | 38円 | 2023年 |
| 2024年 | 16円 | 2034年 |
参考:経済産業省資源エネルギー庁(買取価格・期間等)を参考に表を作成
つまり現在の買取価格では売電のメリットが小さくなっており、売るよりも自家消費したほうが有利という方向に傾向が変化しています。

エコキュートと太陽光発電をセットで使うメリット
エコキュートと太陽光発電を併用することで、単体で使うよりもさらに電気料金を抑えられる場合があります。
ここでは、太陽光との連携、および蓄電池も組み合わせた場合のメリットを紹介します。
太陽光発電との連携によって給湯コストを削減できる
エコキュートと太陽光発電を連携させると、昼間に太陽光で発電した電気を活用した昼間の沸き上げが可能になります。昼間の太陽光発電を活用することで、給湯にかかる光熱費を大幅に削減できるのが大きなメリットです。
太陽光×蓄電池も組み合わせると災害・停電時でもお湯が使える
太陽光パネル単体では、停電すると電力の供給ができません。そこで蓄電池を組み合わせることで、昼間に発電した電気を蓄えておくことが可能になるので、災害時でも電力を確保してお湯を沸かすことができます。
エコキュート×太陽光発電×蓄電池という三位一体の組み合わせは非常に優れており、蓄電池はエコキュートだけでなく他の家電機器にも活用できることから、総合的なメリットが大きいといえます。
| 項目(停電時) | エコキュート単体 | エコキュート+太陽光 | エコキュート+太陽光+蓄電池 |
| お湯の利用 | 不可 | 昼の発電中のみ | 昼夜問わず利用可 |

【太陽光の電気をフル活用】おひさまエコキュートとは

おひさまエコキュートは、昼間に太陽光で発電した電力を活用して沸き上げを行うよう設計されたシステムを指します。
通常のエコキュートは深夜の割安な電力を使って沸き上げを行うのが基本です。
一方、おひさまエコキュートは、夜間と昼間にバランスよく沸き上げる点が特徴です。
余剰電力を無駄なく活用できるため効率が高く、太陽光発電のメリットを最大限活かせるのが大きな強みです。
また各メーカーが提供する専用アプリと太陽光発電・天気予報のデータを連携させることで、最適な運転の自動化も可能です。
たとえば、晴れの日は80%、曇りの日は40%を日中に沸き上げるよう設定するなど、状況に応じて柔軟に対応する高機能を備えており、手間を省いてくれる点も含め、おひさまエコキュートは多くのユーザーに支持されています。
エコキュートと太陽光発電の削減コストをシミュレーション
導入を検討する家庭にとって最も気になる光熱費の削減効果について、メーカーの試算結果も参考になりますので確認しておきましょう。
| 比較項目 | 年間の推定給湯光熱費 | 年間のCO2排出量 |
| ガス給湯器+太陽光発電 | 87,300円 | 1,163kg-CO2 |
| エコキュート+太陽光発電 | 26,900円 | 423kg-CO2 |
| おひさまエコキュート+太陽光発電 | 19,700円 | 207kg-CO2 |
※ダイキン工業試算の図を元に作成(出典:ダイキン工業)
この比較から、おひさまエコキュートは給湯光熱費およびCO2排出量の削減において、最も優れた性能を発揮していることがわかります。
電力会社が対応している各おひさまエコキュートのプラン
おひさまエコキュートについては、エコキュートの製品ラインナップだけでなく、電力会社もその特性に合わせた料金プランを提供しています。いずれのプランも太陽光発電との連携で割安になる点が共通しており、以下の電力会社が対応しています。
| 電力会社名 | プラン名 |
|---|---|
| 東京電力エナジーパートナー | くらし上手 |
| 東北電力 | よりそう+おひさまeバリュー |
| 中部電力ミライズ | 昼とくプラン |
| 四国電力 | 昼トクeプラン |
| 九州電力 | おひさま昼トクプラン |
電力会社によっては、ポイント付与サービスもあります。東北電力を例に挙げると、プランの利用で毎月「よりそうeポイント」を100ポイントプレゼントするなど、ポイント活用が好きな方にはうれしい特典です。

【主要メーカー別】太陽光連携機能(ソーラーモード)のおすすめを比較

太陽光連携機能を持つエコキュートを製造・販売するメーカーの中から5社に厳選し、それぞれの連携機能をご紹介します。
三菱電機の「お天気リンクEZ」
三菱電機の「お天気リンクEZ」は、天気予報を自動でチェックして沸き上げを自動調節するスマートな機能です。
翌日の天気が晴れの場合は夜間の沸き上げ量を自動で抑え、日中の太陽光発電によって生じた余剰電力を活用して沸き上げを行います。
継続的な改良も見逃せません。2025年モデル以降は「わき上げ能力可変制御」を採用し、沸き上げ能力を複数のパターンから選択できるようになっており、今後も進化が期待されます。
設定は普段から使い慣れたスマートフォンから手軽に行えます。
パナソニックの「ソーラーチャージ」
パナソニックの「ソーラーチャージ」は、屋根で発電した太陽光電力を無駄なくお湯に変える優れた機能を有しています。この機能の核となるのは、2026年1月にバージョンアップした「AiSEG3」の活用です。
AiSEG3とは、家庭のエネルギー使用状況を把握し、家電や設備を自動制御するコントローラーです。搭載されているAIが、天気予報や過去のデータをもとに太陽光発電量や電気使用量を予測し、給湯効率を高め、電気代の削減にも貢献してくれます。
なお、リモコンからの手動設定も可能なので、天気予報を確認しながら自分で設定することもできます。
ダイキンの昼間シフト天気予報連動「Daikin Smart APP」
ダイキンからも専用アプリ「Daikin Smart APP」が配信されており、同社で展開中の「おひさまエコキュート」との相性も抜群です。おひさまエコキュートに搭載の昼間シフト機能に加え、専用アプリも活用することで、さらに高い効果を発揮できます。
具体的には、晴れの予報の日は昼間の沸き上げ量を多めに確保し、雨の日は夜間に多めに沸き上げて昼間の沸き上げ量を減らすなど、気象予報会社のデータをもとに柔軟にコントロールします。
環境にも家計にも優しいダイキンのエコキュートは、ぜひ注目です。
日立の「太陽光発電利用沸き上げ」
日立のエコキュートは、専用アプリを使うことで太陽光発電との連携をさらに活かすことができます。
「BHP-FV37XD」や「BHP-FV46XD」などのモデルには、天気予報をもとに自動で沸き上げを設定する「太陽光発電利用沸き上げ機能プラス(自動)」という機能が搭載されています。
- 太陽光発電利用沸き上げプラス(自動):最大7時間沸き上げ可
- 太陽光発電利用沸き上げ(自動):最大4時間沸き上げ可
専用アプリが天気予報を自動でチェックして翌日の天候に合わせ、昼間の沸き上げ時間帯を自動で設定してくれます。
コロナの「ソーラーモードプラス」
コロナは、無線LAN対応のインターホンリモコンで消費電力を制御する「ソーラーモードプラス」を搭載しています。天気予報の情報を自動で取得し、太陽光の発電状況も踏まえながら、最適なタイミングで自動沸き上げを行います。
一方、無線LAN非対応の「ソーラーモード」では、リモコンから手動での設定も可能です。2日間や1週間単位など、ご自身で天気予報を確認しながら柔軟に設定できます。

【連携は難しくない】ソーラーチャージの設定方法
エコキュートと太陽光の連携設定(ソーラーチャージ)は、まったく難しくありません。備え付けのリモコンや専用アプリが翌日の天気予報や設定データをもとに余剰電力を予測し、自動で沸き上げを行ってくれます。
- ホーム画面から「ソーラーアイコン」をタップ
- スマートソーラーチャージをONにする
- 「沸き上げ時間帯」を選び、何時から何時まで稼働させるか指定
- 実際に沸き上げる合計時間を設定
- 自宅の太陽光パネルの出力容量を選択
- エコキュート以外の消費電力量(家電なども含む)目安を入れる
なお、リモコンからも操作できるため、スマートフォンアプリに不慣れな方でも設定できます。

エコキュートと太陽光発電に関するQ&A

エコキュートと太陽光発電との組み合わせを検討する際は、さまざまな疑問が出てくるものです。ここでは、5つのQ&Aを紹介します。
初期費用0円の「PPAサービス」とはなんですか?
PPAとは「Power Purchase Agreement」の略で、事業者が一般家庭の屋根などを借りて太陽光発電設備を設置する「第三者所有モデル」です。
発電された電気を住人が購入する仕組みで、住人側は初期費用がかからないため、事業者と住人の双方にメリットのある仕組みです。
一方で、10〜20年といった長期契約が必須であることや、蓄電池などの追加設置に制約がある場合など、デメリットもあるため、将来を見据えたプランニングが必要です。
太陽光発電との連携で必要なものは?
エコキュートと太陽光発電を連携させるには、リモコン等の機器をはじめ、以下のものが必要になる場合があります。導入を検討する際は、必要なものをあらかじめ確認しておきましょう。
- 無線LANアダプター搭載リモコンセット
- 家庭内のインターネット環境(Wi-Fiルーター)
- 専門業者等による設置工事や設定作業
- 各エコキュートメーカーの専用アプリ
HEMSとはなんですか?太陽光発電とどんな関係が?
HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)とは、エコキュートや太陽光発電、水道などのエネルギー使用量をモニターで制御・可視化するシステムです。
住宅設備や機器と相互に通信するため共通の通信規格が必要となります。その役割を担うのが「ECHONET Lite」という通信規格です。
HEMSを導入するには、HEMS対応のコントロール機器と、エコキュート・太陽光発電・蓄電池・その他(エアコンやスマートメーターなど)といったHEMS対応の機器が必要です。
太陽光発電を活用した沸き上げは完全に任せっきりでも良い?
天気予報は100%正確ではなく外れることもあり、そのときは太陽光の発電量が不足し、余剰電力が不足することがあります。その場合は電力会社からの電気で沸き上げを行うので、できるだけ節約したい場合は、必要に応じて手動で設定を行い、調整をしましょう。
参考:日立エコキュートアプリ
太陽光発電を自宅に導入する際の費用相場は?
2024年の実績を例にすると、1kWあたりの費用は28.6万円で、搭載容量に応じて総額が変わります。
参考:経済産業省(国内のコスト動向:システム費用(設置年別の推移より)
一般家庭の目安は3〜5kWであるため、85.8万〜143万円が費用の目安となります。
まとまった費用がかかるため、初期費用の面ではデメリットに感じる方もいるかもしれません。
ただし、長期的に年間光熱費を下げたいという目標があるなら、ランニングコストの削減効果として十分に回収できる可能性があります。
参考として、京セラの公表データ(4kW)によると、年間の節約電気料金は「122,460円」と試算されており、同社が提供する簡単シミュレーションも参考になります。
太陽光発電に補助金はありますか?
東京都の例を挙げると、「家庭における太陽光発電導入促進事業(令和11年度まで)」という補助金を活用して太陽光発電を導入することができます。
| 住宅の種別 | 容量 | 補助額 | 補助の上限額 |
|---|---|---|---|
| 新築 | 3.6kW以下 | 12万円/kW | 36万円 |
| 新築 | 3.6kW以上 | 10万円/kW | 50万円 |
| 既存住宅 | 3.75kW以下 | 15万円/kW | 45万円 |
| 既存住宅 | 3.75kW以上 | 12万円/kW | 60万円 |
参考:家庭における太陽光発電導入促進事業を参考に表作成
パナソニックのホームページでは、都道府県・地域ごとに補助金情報を検索することも可能なので、あわせて確認しておきましょう。
参考:太陽光発電システムの補助金を調べる(パナソニックページより)
また、エコキュートを設置する際にも、補助金制度を利用可能な場合があります。
経済産業省が実施している補助金制度や、お住まいの自治体でも実施している場合がありますので、確認してみるとよいでしょう。

まとめ
エコキュートと太陽光発電を組み合わせると、昼間に発電した余剰電力を効率的に自家消費でき、電気代の削減と省エネ効果が期待できます。
また、昼間の気温が高い時間帯に沸き上げることでエコキュートのヒートポンプの熱交換効率も向上し、夜間の沸き上げを減らせる点も大きなメリットです。
蓄電池を組み合わせることで災害時も安心でき、各メーカーも次々と改良を重ねています。太陽光発電と連携可能なエコキュートの、今後の進化からも目が離せません。


