
「エコキュートの凍結を防ぐ方法は?」
「もし凍結したらどうなる?」
予防策や凍結後の対処法について、正しい方法がわからず悩んでいる方も少なくないでしょう。ただし、事前に防ぐ方法と、凍結してしまったときの対処法を分けて理解しておくと、冬場も安心です。
この記事では、ご自身でできる対策や注意点を中心に解説します。プロに任せたい本格的な補強方法まで網羅していますので、凍結で困らないためにもぜひ最後までご覧ください。
Table of Contents
エコキュートの凍結防止はどのような基準で始めるべき?
一般的に水は0℃で凍ることが知られています。メーカー側が凍結発生の目安として示しているのも「外気温0℃以下」です。
しかし気象庁によると、3℃の段階でも凍結に注意が必要とされています。これは、地上の気温が高さ1.5mの地点を基準に測定されており、冷気が溜まりやすい地面付近はさらに低温になるためだと考えられます。
参考:気象庁
したがって、冬場の気温が3℃以下に達する地域にお住まいの場合、凍結の恐れがあることを覚えておきましょう。

エコキュートの凍結防止対策8選【機能活用+補強工事など】
エコキュートの凍結を防止するには、ご家庭で実施できるものと、工事業者に任せるべきものの2つに分かれます。
ここでは、家庭でできるものから業者に任せるものまで、8つの対策を紹介していきます。
ふろ配管の凍結予防運転を実施【フルオート限定】
凍結のおそれがある地域にお住まいなら、予防運転機能を備えたフルオート型エコキュートを活用しましょう。
外気温に合わせてシステムが自動的に稼働しますが、事前に以下の点を確認しておきましょう。
確認事項
- 設定確認:凍結予防運転の設定が「入」の状態(※三菱の例)
- 残り湯目安:浴槽アダプターの上に5cmまたは10cm以上あるか(基準点や水位はメーカーにより異なる)
- 給湯タイプ:自動お湯張りの機能がついているか
蛇口から水をひと晩流し続ける
家の蛇口からひと晩水を流し続けるのも、水を動かし続けることで凍結を防ぐ物理的な対策です。朝まで水を流し続けることに抵抗を感じるかもしれませんが、少量に調整すれば費用もわずかで済みます。
POINT
- 全国平均の水道代は1リットルあたり約0.2円
- 9時間の使用量:約108L(1分200ml×60分×9時間÷1,000)
- ひと晩の水道代目安:約21.6円(108L×0.2円)
※水道料金のみの目安
参考:厚生労働省|いま知りたい水道(詳細)
手順(三菱エコキュートでの例)
- リモコンを操作し給湯温度を「水※」に設定
- 1分間に200ml程度の水を細い糸状にして流す
- 翌朝に給湯栓を閉じる(元に戻す)
- 給湯温度も「水」から元に戻す
翌朝は給湯栓を閉め忘れないよう、お風呂場や台所・洗面所すべてを確認しましょう。
凍結防止ヒーターの施工を行う
使用中のエコキュートに凍結防止ヒーターがついていなければ、追加工事で補強することが可能です。
凍りやすい配管は風呂配管や給湯配管だけではないため、凍結防止を検討する際はこの点も把握しておく必要があります。
| 配管の種類 | 目的 |
|---|---|
| 給湯配管 | 台所、洗面所、シャワーなどからお湯を送る |
| 風呂配管 | 追い焚きや自動湯張りがある場合は2本ペアとなる |
| 給水配管 | 貯湯ユニットに水道水を供給する |
| ヒートポンプ配管 | 【往き・戻り】 貯湯ユニット+ヒートポンプユニット間で、 水を循環させお湯を沸かす |
| 排水(ドレン)配管 | 各ユニット底部からドレン排水の処理を行う |
配管は5種類にもおよぶため、これらの各部材に凍結防止ヒーターが設置されていなければ、氷点下エリアでは凍りつくおそれがあります。
POINT
工事専門店等に「我が家のエコキュートは配管にヒーターをつける対策までされているか」と尋ね、未施工かつ強化したいなら依頼を検討しましょう。
※工事代金込みの相場:2万円前後
注意点
凍結防止ヒーターのプラグを抜かず放置していると、秋でもヒーターが稼働します(例:3℃以下でON、10℃に達するとOFFになるなど)。電気代が上がるのを防ぐために使わない時期はコンセントから外しておきましょう。
保温材(カバー)をつける
エコキュートの各配管はあらかじめ耐熱保温材等で保護されていますが、氷点下になる地域において凍結防止が万全とは限りません。
たとえば、施工時に安さやスピードを重視し、凍結対策への配慮が十分でなかったケースもあります。そこで低温の外気から配管を守るため、保温テープ・チューブを取り付けるのも一つの防凍策です。
ただし、保温材の取り付け方を誤ったり、作業中にカッターで手を怪我したり配管を傷つけたりするおそれもあります。
保温材の性能を高める追加工事は可能なので、プロに任せたい場合は専門業者に依頼すれば今からでも改善できます。
脚部カバーを取り付ける
画像出典:GT-L460A|三菱電機WIN2K
エコキュートには別売で脚部カバーが用意されており、むき出しの外観をすっきり見せるだけでなく、凍結対策としても効果があります。むき出しよりも物理的な保温効果があるため、隙間からの風雪を防げたり小さな異物や虫の侵入も防ぎやすくなったりします。
設置について
- ネジの取り外し、取り付けで済む簡易工事
- 前面、側面、後面での部品取り付け
三菱製の脚部カバー組立説明書によると、ニッパーを使う作業も工程にあることが確認できます。工具の使い方に自信がない場合は、本体やカバーの破損を防ぐためにも工事専門店に任せましょう。
防雪部材の一式工事を依頼する
画像出典:GT-124B-A|三菱電機WIN2K
エコキュートの一般地仕様・寒冷地仕様のうち、寒冷地モデルは別売りで防雪関連の部材が用意されています。こちらは積雪や風雪を防ぐためのもので、高置台・架台(屋根・防雪板)などが主な部材です(単体で3万円前後、フルセットで10万円前後)。
設置の目的は防雪ですが、積もった雪や付着した雪による凍結を防ぐためにも降雪地では欠かせません。
販売店や専門業者での工事をメーカーは推奨しているため、凍結対策をより万全にしたい場合は候補の一つといえるでしょう。
長期不在なら水抜きで氷結を防ぐ
旅行や帰省などで長期不在にする際、エコキュートの電源を切ることもあるでしょう。その際に水抜きをしていなければ、配管内に水が残ってしまうことがあります。残水による凍結を防ぐためにも、長期不在時は水抜きが欠かせません。
メーカーや機種ごとに方法も異なりますが、取扱説明書の手順に沿って進めれば業者に頼まずご自身で行うことも可能です。
関連記事:エコキュートの水抜きで寿命は延びる!?正しいやり方
寒冷地向けモデルを選ぶ
エコキュートの対応温度は通常、一般地仕様で-10℃まで、寒冷地仕様で-25℃(メーカーによっては-20℃)までとなっています。
エコキュートの購入前や交換前なら、あらかじめ凍結対策を盛り込んだ寒冷地仕様のモデルを候補に入れましょう。外気温がマイナス25℃でも稼働する設計で、凍結防止ヒーターなど一般地向けの機種にはない機能が搭載されています。
お住まいの地域の冬場の最低気温を考慮に入れながらエコキュート選びを行いましょう。

【厳禁】凍結時にやってはいけないNG行為

凍結時の対処には慎重な判断が欠かせず、誤った処置は配管や本体の破損・故障につながるため避けなければなりません。
ここでは、注意しておきたいNG行為を紹介します。
熱湯をかける・熱風を浴びせる
冷え切った配管やパーツに熱湯をかけると急激な熱膨張が起き、温度差による熱ショックでひび割れや破裂事故を招いてしまいます。
また、ドライヤーの熱で温めることも避けなければなりません。温風を当てることで配管等が損傷する恐れがあります。
配管を叩く・揺さぶる
意外とやってしまいがちな行為として、エコキュート本体や配管を叩いたり揺さぶったりするNG行為も挙げられます。
シチュエーション
- ヒートポンプユニット側にできた氷柱が見え、機器を叩いてしまう
- 氷の塊を落とそうと、機器を揺さぶってしまう
内部には繊細な部品やセンサーが入っているため、氷の塊を強引に取り除こうとしないよう注意しましょう。
無理に給水止水栓を回してしまう
凍結時は焦ってお湯が出るか確認しようと、つい給水止水栓などを操作してしまいがちですが、自然解凍で溶けるのを待つのが安全です。
給水止水栓を無理に回すと部品が破損するおそれがあるため避けましょう。他のバルブが凍りついているときも同様なので、強い力で部品を操作するのは厳禁です。
本体のリセットのみで済ませてしまう
凍結が起きた際は、リモコンにエラーが表示されることがあります。自然解凍で復旧するケースなら、リモコンや漏電遮断器からのリセットで正常に戻ることも多いでしょう。
しかし凍結をきっかけに機器が故障すると、リセットだけでは直りません。たとえば「以前は一回のリセットで元に戻ったため、今回も問題ないはず」と思い込んで点検・修理をしないままでいると、状態が悪化するおそれがあります。
修理費がかさまないよう注意し、自力の対処が難しい場合は工事専門店へ相談しましょう。

エコキュート主要メーカーの凍結対策ページも確認【三菱含む一覧】
凍結防止の方法は、三菱のエコキュートをはじめ主要メーカーの公式サイトでも公開されています。凍結予防運転(フルオート機種)において、浴槽アダプターより上まで残り湯を張っておくのがメーカーの共通の予防策として推奨されています。
主に記載されている内容の要約は、以下のとおりです。
共通した記載内容
- 循環アダプターからの距離(5cmまたは10cm以上)
- 通水をする際の水出しの量(1分間に約200mlまたは400ml)
- ブレーカーをオフにする際の注意書き
主要メーカーの凍結対策・説明ページ
- 三菱電機:凍結予防運転について(しくみ、使い方、注意事項)
- パナソニック:エコキュート 断水・凍結について
- コロナ:給湯機器の凍結について
- ダイキン:凍結したときの対応と予防方法
- 日立:凍結防止について教えてください
- 長府製作所:よくある質問(検索窓に【凍結】と入力→【検索する】)
あわせて、ご自宅の取扱説明書の凍結防止に関するページも確認しておくと、より万全な備えになります。

エコキュートの凍結防止や対処に関するQ&A集
エコキュートの凍結防止に関するQ&Aでは、残り湯の扱いや保証と電気代、異常が見られた際の判断について取り上げます。
浴槽の残り湯を使うのは汚いですか?
「貯湯ユニットのお湯と混ざるから汚い?」という疑問があります。
凍結予防運転は浴槽の残り湯を循環させる仕組みなので、タンク側と混ざってしまう心配はありません。ただ、残り湯には変わりがないため、菌などの衛生面が気になることもあるでしょう。
もし残ったお湯を予防運転に使うなら、運転終了後の朝に浴槽内の水を捨てるなど、家族でルールを取り決めておくのがおすすめです。
残り湯はいつまで溜めておいて大丈夫ですか?
凍結予防運転が使えるフルオート型(自動お湯張り・追い焚き機能つき)なら、残り湯を溜める時期は春先までを目安にしましょう。
また細かく調整したい場合も含めて、以下のポイントを参考にしてみてください。
| 残湯活用の期間 | 12月~3月頃まで(氷点下にならなくなるまで) ※北海道や豪雪地帯は天気予報に合わせる |
| 天気予報アプリ | ・在住地域の最低気温をチェック ・週間の気温も確認できて無料 |
| 残湯活用の基準 (時間・気温) | 【時間】 ①陽が昇る早朝まで(衛生面重視) ②翌日の夜間まで(残湯活用重視) 【気温】 最低気温が3℃以下の予報日 |
残り湯なしで凍結防止機能を作動させるのは難しいと聞きましたが水張りは必須?
三菱製のエコキュートの例になりますが、シャワーや蛇口からお湯や水を溜めた場合は、凍結予防運転は作動しない場合があります。この機能は、リモコンのボタンから自動お湯張りを行い(①)、そのまま自動で凍結予防運転(②)へと連動する仕組みです。
したがって、手動の水張りなどを行うことで①と②の一連の流れを止めてしまうと凍結防止の効果が得られない場合があります。そういった仕様も考慮に入れながら適切に機能を活用しましょう。
出典:凍結予防運転について(しくみ、使い方、注意事項) | 三菱電機 よくあるご質問 FAQ
凍結による故障は保証で対応してもらえる?
エコキュートの凍結による故障は、原則(メーカー基準)として保証の対象外(免責事項)とされている場合が多いです。凍結防止の機能や対策がいくつもあるため、管理・使用上の不備と考えられます。
ただし例外として、火災保険の特約をつけていると修理費用が補償されることがあります。
ネット火災保険のケース(チューリッヒなど)
- 火災保険の対象(建物・家財)のうち【建物】の契約
- 給排水管修理費用補償特約のオプションを付けている
参考:エコキュートの損傷に火災保険は使えるのか。|チューリッヒ
このように特約の有無によって修理費が補填されるかが決まるため、火災保険の契約内容を一度見直してみることをおすすめします。
関連記事:エコキュートの故障に火災保険は使える?適用条件や注意点
凍結防止ヒーターの電気代はどれくらい?
ヒーターの電気代は、稼働時間(数時間〜24時間)や設置本数によって大きく異なります。
貯湯ユニット内蔵の凍結防止ヒーターの消費電力は、三菱電機の寒冷地向けモデルでは60Wと記載されています。これを時間ごとに算出した電気代の目安は以下のとおりです。
| 1時間 | 0.060kWh×31円(※) | 1.86円 |
| 9時間(夜間) | 1.86円×9時間 | 16.74円 (1ヶ月:16.74円×30日=502.2円) |
| 24時間(1日) | 1.86円×24時間 | 44.64円 (1ヶ月:44.64円×30日=1,339.2円) |
※令和4年7月改定 公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会「新電力料金目安単価 31円/kWh」をもとに算出
上記はあくまでも内蔵された1本のヒーターの目安であり、配管用の自動温度調節器の稼働状態によってもON時間は変わります。
また、寒冷地では設置箇所に「ヒートポンプ・ふろ・給湯・給水配管」が参考例として挙げられています。したがって設置本数・配管の長さや稼働時間の要素によって、金額に幅が生じる場合があります。
参考1:よくある質問 Q&A 公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会
参考2:三菱エコキュート 据付工事説明書
自分で対処または業者対応の判断は?
凍結時は自然解凍で溶けるのを待つことが推奨されますが、判断する項目が多いため以下を参考にしてみましょう。
| 判断項目 | 自分で対処・様子見で可能 | 業者へ連絡・相談 |
|---|---|---|
| リモコン表示 | 【凍結に関する表示】 自然解凍後にエラーが消える ※リモコンのリセットにて | エラーが消えない |
| 配管の状態 | 破損がなく水漏れもない | ・配管に亀裂や変形あり ・水漏れが確認できる |
| 使用年数 | 使用期間が数年程度 ※正常動作する場合 | 使用期間が10年以上 ・経年劣化で性能ダウン ・配管の劣化 ・断熱材などの保温効率低下 |
本体の内部配管からの水漏れや部材の破損など、外周点検だけで発見できない異常は点検依頼がベストです。
使用年数が長くエコキュートの寿命に近づいている場合は、寒冷地向けモデルへの買い替えも含めて工事専門店に相談してみましょう。

まとめ
エコキュートは正しい凍結対策を把握しておくことで、いざというときの解決も難しくありません。本体や部材を壊さないために厳禁の行為は避け、凍結予防運転の機能があれば条件を確認したうえで有効に活用しましょう。
なお、ご自身で対処しても状況が改善しない場合は、エコキュート工事専門店のチカラもちにお任せください。迅速な出張点検・無料見積もりから、凍結防止に優れた寒冷地仕様モデルへの交換提案、補助金申請サポートまで、幅広くご対応いたします。





