
「エコキュートの水圧が弱い気がする…」
「選んだ機種が影響?それともほかに原因があるの?」
エコキュートを使っていて水圧が弱いと感じることはありませんか?
結論として、水圧が弱くても対策を打つことは十分に可能です。
本記事では水圧が弱い理由をはじめ水圧を上げる対策・自分に合ったモデルの選び方を紹介します。ぜひ最後までご覧いただき、どのような対策が有効かを判断する参考にしてください。
Table of Contents
エコキュートの水圧が弱い理由【主に3つ】
エコキュートの水圧が弱い主な理由は以下の3点です。
- 貯湯の構造
- 水圧を下げる装置の影響
- 水圧が弱い地域の影響
それぞれ詳しく確認していきましょう。
貯湯の構造によるもの
エコキュートは夜間の安価な電力を活用して大量のお湯を貯湯タンクに蓄える構造です。水道直圧式のガス給湯器とは異なり、水道の圧力をそのまま活かすことができません。
貯湯タンクは高水圧に耐えられる設計ではないため、タンクを守るために圧力を制御する必要があり、その結果シャワーや蛇口から出るお湯の勢いは穏やかになります。
このような構造から、標準モデルのエコキュートは、水道水の圧力を約1/2~2/3まで下げているため、水圧に物足りなさを感じやすくなります。
水圧を下げる装置が組み込まれている
貯湯式は水道からの強い圧力に耐え続けることが難しいため、配管内の圧力を一定値に下げて調整する減圧弁が取り付けられています。貯湯タンクの破裂を防ぐ重要な装置であり、取り外すことはできません。
また設定温度より高いお湯と水を混ぜて調整する混合弁(ミキシングバルブ)も取り付けられており、同様に水圧低下の要因となります。
一方、ガス給湯器は水道圧をそのまま利用して瞬時に加熱する水道直圧式を採用しているので高水圧を実現できます。
水圧の弱い地域に在住している可能性
多くの住宅に一括供給するニュータウンでは、地形の高低差を考慮せずに配管が設置されるケースも珍しくありません。
都市近郊の丘陵地や高台に造成されることが多く、水道水は低地の浄水場から高台の住宅まで押し上げる必要があります。
そのため、標高が高い地域では水圧が低下しやすい傾向があります。

【居住環境で選びたい】エコキュートの水圧を比較
メーカーごとのエコキュートの水圧がどのように異なるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。
ここでは高圧タイプの種類を紹介しながら、居住環境に合った選び方を解説します。
標準モデルよりも頼もしい【パワフル高圧タイプ】
標準モデルの水圧の目安は170〜190kPaです。
一方、パワフル高圧タイプは標準モデルの約1.6倍にあたる280〜320kPaです。
水圧の強いモデルを希望する場合は、200kPa未満のモデルは候補から外すとよいでしょう。
- 2箇所でお湯を同時使用しても水圧を維持できる
- 3階建ての戸建てでも使用できる
メーカー随一の高水圧モデル
日立は水道直圧給湯による「ナイアガラ出湯」モデルを展開しています。
従来の貯湯式とは異なり、水道圧を直接利用する独自技術によりパワフルな水圧を実現しています。
水圧はガス給湯器に匹敵する500kPaに達し、非常に頼もしい選択肢です。
- 堆積物による配管詰まりにも強い
- 高高度の地域や井戸水にも対応
- 3階建て・2箇所同時利用にも対応できるパワー
家族構成別・階数で見た選び方
パワフル高圧タイプと水道直圧タイプが優れていますが、通常の高圧タイプも含めた比較は以下の表で確認してください。
| タイプ | 水圧 | 特徴 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 1.水道直圧型 | 500kPa | エコキュート最高峰の水圧 | ・ガス給湯器並を求める家庭に◎ ・大家族にも◎ |
| 2.パワフル高圧 | 280~320kPa | 2箇所の利用も問題なし | ・3階まで可能 ・シャワー水圧重視 |
| 3.高圧タイプ | 170~190kPa | 節水効果あり ※水圧は低い | ・費用を抑えたい人 ・水圧にこだわらない人 |
水圧のタイプを選ぶ際は、家族人数によって変わるエコキュートのタンク容量もあわせて確認しておくことをおすすめします。

エコキュートの水圧を上げる・調整する対策7選
水圧が弱い理由を把握したら、実際に取れる対策を確認しておきましょう。
- お湯の2箇所同時利用を避ける
- お湯の設定温度を上げる
- 止水栓が全開になっているかのチェック
- シャワーヘッドの散水板の構造によるもの
- 低水圧用のシャワーヘッドに交換
- シャワーヘッドのフィルター詰まりを解消する
- 給湯の加圧ポンプ設置依頼をする
お湯の2箇所同時利用を避ける
エコキュートはお湯を沸かす際に減圧弁によって水道圧を下げ、沸かしたお湯を貯湯タンクに貯めています。
キッチンと浴室を同時に使用するとお湯の圧力も分散されるため、水圧の低下が避けられないでしょう。特にシャワー中に、キッチンなど別の場所でお湯を使うと互いに不便を感じやすくなります。調理や洗い物の時間をシャワーとずらすよう、家族間で取り決めておきましょう。
お湯の設定温度を上げる
エコキュートは設定温度でタンク内のお湯を沸かし、水道水と混ぜて適温にします。設定温度を高くすると混ぜる水道水の量が増え、蛇口から出る流量が増し、体感的に水圧が強くなったように感じます。
ただし水の使用量が増えるため、水道料金が上がる点も考慮しておきましょう。
止水栓が全開になっているかのチェック
エコキュートの止水栓は、貯湯タンクの脚部カバーを外した場所にあります(室外機側ではありません)。
止水栓が半開きになっていると水圧が低下するため、まずは全開になっているか確認しましょう。
ネジの種類(マイナス・プラス・手回し)は機種によって異なるため、必ず取扱説明書を確認しながら作業してください。
シャワーヘッドの散水板の構造によるもの
シャワーヘッドの散水板(さんすいばん)とは、お湯が出る穴が複数開いた金属・プラスチック製のプレートです。
散水板によって水流が制御されますが、節水タイプのシャワーヘッドでは穴が極端に小さいものもあります。穴が小さかったり数が少なかったりすると、水圧が弱い環境ではシャワーの勢いが頼りなく感じることがあります。
低水圧用のシャワーヘッドに交換
「低水圧用」というと水圧をさらに下げてしまうのでは?と誤解されがちですが、実際には水圧が低い環境でも十分な勢いを体感できるようにするのが目的です。
主な特性は以下のとおりで、これらにより圧力の低さをカバーします。
- 穴を小さく・少なく:直径を絞り総数を減らすことで、少量の水でも勢い(圧力)を維持する。
- 直線的な放射:穴を絞ることで水流が直線的になり、体感的な勢いが増す。
コストをかけずに水圧の物足りなさを改善できる手軽な方法です。
シャワーヘッドのフィルター詰まりを解消する
水圧が弱くなる原因のひとつに、シャワーヘッドやホース接続部のフィルター(ストレーナー)の詰まりがあります。微細なゴミや水垢が蓄積すると通水路が狭くなり、水圧の低下につながります。
- シャワーヘッドを外す
ヘッドとホースをつなぎ目部分を回し、ヘッドを取り外します。 - フィルターを取り外す
つなぎ目の部分にフィルター(網)やパッキンが入っているため、ピンセット等を使いていねいに取り出しましょう。 - フィルター部の掃除
網目に詰まったゴミや汚れは、歯ブラシを使って水洗いすることで除去できます。
ひどい汚れにはクエン酸を使ったつけ置き洗いも効果的です。あわせてエコキュートの日常点検も定期的に行うようにしましょう。
給湯の加圧ポンプ設置依頼をする
水圧不足を根本から解消できるのが加圧ポンプの設置です。高台や2階以上の住宅が主な対象で、設置には工事業者への依頼が必要です。
本体価格は5万円超で、工事費用を合わせると10万円前後を見込んでおきましょう。
シャワーの勢いが劇的に改善し、水圧への不満を根本から解消できます。
使用年数が長ければ新しく交換する
エコキュートの寿命はおおむね10年とされており、設置から10年以上が経過している場合は買い替えも視野に入れましょう。
フィルター清掃を行っても水圧が改善しない場合や、故障が疑われる場合が交換を検討すべきサインです。
修理が必要な状態で症状が深刻であれば、修理費用が高額になりやすく、新品への交換のほうが経済的なケースもあります。
高圧タイプへ交換すれば、水圧の不満も同時に解消できます。
交換の際は補助金制度も活用できるため、申請条件と合わせて確認しておきましょう。
関連記事:エコキュートを補助金でお得に購入!

エコキュートの水圧が弱いときは故障も疑うべき
水圧の低下が故障によるものである場合、主に以下の2つのケースが考えられます。それぞれの特徴を確認しておきましょう。
水圧が下がるのは水漏れが発生しているかも
水圧が低下するのは、水漏れなどによりどこかに逃げている状態で、供給量が減ることで水の勢いが落ちている可能性があります。
極寒や台風といった特別な要因がないにもかかわらず急激な水圧低下を感じた場合は、本体を目視で確認し、異常があれば速やかに専門業者へ相談しましょう。
減圧弁の異常にともなう故障
標準モデルの貯湯タンクに水道圧を下げる減圧弁が組み込まれていることは前述のとおりですが、この減圧弁自体が故障するケースもあります。
故障の兆候としては、バルブ周辺の継続的な水漏れ、もしくは経年劣化が挙げられます。
減圧弁の点検・メンテナンスは専門知識が必要なため、自己判断で対応しようとせず工事業者に依頼しましょう。製品保証の期間内であれば、設置を担当した業者に連絡して対応してもらいましょう。

エコキュートの水圧に関するQ&A集
エコキュートの水圧に関するよくある質問をまとめました。
マンションの場合はどのように解決できますか?
集合住宅では各住戸の水圧が建物全体の設備に依存しており、個人で加圧ポンプを設置することは難しく、管理会社に断られるケースも多くあります。
管理会社への相談は必要ですが、許可取得のハードルを考えると、低水圧用シャワーヘッドへの交換が最も手軽で経済的な対策です。
本記事で紹介した設定温度を上げる対策も、マンションで実践しやすい有効な方法です。
関連記事:エコキュートはマンションでも使える?交換・設置の条件や注意点を解説
シャワー中に家族が別の場所でお湯を使うと水圧が弱くなるのは故障ですか?
勢いが弱まるのはお湯の分散による現象であり、故障ではありません。1階と2階など複数箇所で同時にお湯を使うと圧力が分散されるためです。家族間で使用時間のルールを決めておくと改善できます。
買い替えを検討している場合は、複数箇所での同時使用にも耐えられるよう、パワフル高圧型や水道直圧方式も有力な選択肢となります。
シャワーヘッドの交換は公式以外の通販でも可能ですか?
シャワーヘッドは多くのメーカー製品に対応しているため、選び方は難しくありません。
- ジェット噴射機能が備わっているもの
- ハードへの切り替えができるタイプ
- アダプター付属(※)の製品も視野に
※ご家庭のシャワーホースとの互換性によっては必要となる
初めての場合は、自宅のシャワーホースと合わなかったという事態を防ぐためにも、アダプター付きの製品を選ぶと安心です。
価格帯は3,000〜20,000円など幅があるため、目的に合わせて必要な機能を絞って選びましょう。
水圧が弱いのはデメリットだけですか?
水圧が弱いと水の使用量が減るため、水道代の節約につながる面もあります。
また、肌がデリケートな方や小さなお子さんがいるなどの事情から、刺激の少ないやさしい水流を好む方も多いです。

まとめ
エコキュートの水圧が弱めなのは正常な構造によるものであり、節水などのメリットも少なからずあります。
加圧ポンプの追加設置など工事による設備投資より、先ずはシャワーヘッドの交換での対処が試してみて不満を解消できるか確認しておくことをお勧めします。
設定温度の調整・2箇所同時使用の回避・止水栓の確認など、費用をかけずにできる対策も多くあります。
使用年数が10年を超えている場合は早めの交換も検討し、省エネ性能の高いエコキュートを長く活用していきましょう。


