
「断水したら、エコキュートの方はどうすればいい?」
「対処で気をつけておくことは?」
災害による断水が起きた際、どう対処すればよいか疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
エコキュートは断水時にタンク内の水を生活用水として使えるメリットがありますが、正しい手順で行うことが大切です。
本記事では、断水がエコキュートに与える影響・主要メーカー別の非常用水の取り出し手順・復旧後の処置について解説します。断水時に誤った行動をとらないよう、ぜひ最後までお読みいただき、いざというときに備えておきましょう。
Table of Contents
断水がエコキュートに与える影響について
断水がエコキュートに与える影響は、主に以下の3つです。
- 蛇口からの供給が止まる
- シャワーが利用不可に
- 追い焚き、自動お湯張りが使用不可に
いずれも事前に知っておくべき重要な点ですので、順に確認していきましょう。
影響1.蛇口からのお湯の供給が止まる
断水が発生したら、家中の蛇口から水が出なくなるほか、お湯の供給もストップします。
エコキュートは水道の圧力でタンクに水を送り込み、その圧力でお湯を押し出す仕組みのため、断水によって圧力がなくなるとお湯が出なくなります。
断水中に混合水栓のお湯側を無理に開けようとすると、配管内に空気が入り故障のおそれがあるため注意しましょう。
影響2.シャワーが使えなくなる
断水が起きるとシャワーも使えなくなります。エコキュートの給湯は、タンク内のお湯と水道からの水を、給湯混合弁という機器で混合してからシャワーに供給する仕組みのため、水の供給が途絶えると出湯できなくなるためです。
断水中に何度もシャワーを開閉すると、復旧時に濁った水が流れ込む原因になるため、触れずに待つことが賢明です。
影響3.浴槽への追い焚きや自動のお湯張りもできない
断水の際は、通常時であればボタン1つで可能な自動お湯張りと追い焚き機能が作動しません。
追い焚きは浴槽の水を循環させて温めるように見えますが、実際にはタンク内のお湯を熱源としています。断水を検知すると空焚き防止のための安全装置が働き、運転が強制停止されるため、追い焚きもできなくなります。

エコキュートの断水時に非常用水を安全に抜き出す方法
エコキュートのタンク内の水は断水時に非常用水として活用できますが、必ず以下の手順に沿って行うことが大切です。
- 事前準備【バケツ・ホース】
- 手順1.タンクの脚部カバーを外す
- 手順2.給水止水栓を止める
- 手順3.タンクの漏電遮断器をオフに
- 手順4.タンク上部の逃し弁を起こす
- 手順5.非常用水取出口にホースを差し込む
手順を守って安全に実施するため、それぞれしっかり確認しておきましょう。
事前準備【バケツ・ホース】
非常用水は貯湯タンクから取り出します。作業前にバケツとホースを準備しておきましょう。
| 準備品 | 用途 |
|---|---|
| バケツ | 勢いよく出る水を受け止めるために必須 |
| ホース | 取り出し口に合うものを選ぶ ※一般的には内径15または17mm |
ホースはエコキュートに付属しているメーカーもあります。付属していない場合は別途ご用意ください。
手順1.タンクの脚部カバーを外す
脚部カバーを取り付けている場合は、まず取り外しましょう。
- 固定ネジを緩める(ドライバー等)
- 真下に下げる(カバーを両手で持ち、真下へ下げる)
- 手前に引いて外す(カバー上部のツメが外れたら)
手順2.給水止水栓を止める
断水中に泥水が水道管に混入してタンクに侵入しないよう、貯湯タンク下部にある給水止水栓を閉めましょう。操作は縦の配管方向に対して倒した状態(90度)で閉める構造です。
手順3.タンクの漏電遮断器をオフに
貯湯タンクには点検口があります。つまみねじで固定されているタイプはネジを回して開けてから内部を確認しましょう。確認できたらスイッチをオフにして漏電遮断器を切ります。
手順4.タンク上部の逃し弁を起こす
逃し弁レバーは、沸き上げ時にタンク内の膨張した水を排出するための弁です。このレバーを上げるとことで貯湯タンクの排水管から水が出てきます。
手順5.非常用水取出口にホースを差し込む
貯湯タンク下部の非常用取出口(取水栓)のキャップを外してから、以下の手順で取り出します。
- 準備したホースを差し込む
- ホース先をバケツの容器に入れる
- 取出口の水栓を左に回して開ける
取り出し始めは高温(最高90℃)のお湯が出てくるおそれがあるため、十分に注意してください。
やけどを防ぐためゴム手袋をしてからの作業を推奨します。
取り出す際の容器について、熱割れのおそれがあることからガラス容器は避けましょう。

【主要メーカー別】エコキュート断水時の対処手順
以上が共通の基本手順ですが、メーカーごとの詳細な手順もまとめました。
手段はエコキュートのモデルによって異なるため、製品の操作説明書を手元に用意・確認しながら進めることが重要です。
5社の手順を順に紹介します。
日立
日立製エコキュートで断水時に非常用水を取り出す手順は以下のとおりです。
- 漏電遮断器の電源スイッチをOFFにする
- タンク専用止水栓を閉める
- 逃し弁のレバーを上げる
- 非常用水取水ホースの先を、バケツ等の容器で受ける
2012年〜2014年に発売された特定のモデル【L型・N型・P型】の水道直圧給湯(ナイアガラ出湯)を使用中のご家庭は注意が必要です。
これらの機種で、非常用水の使用後にタンクへお水を給水する際、購入した販売店や専門の工事店に有償で作業を依頼する必要があるため、あらかじめ頭に入れておきましょう。
あわせて日立の公式解説ページ(PDF)も確認しておきましょう。
パナソニック
パナソニック製エコキュートの手順は以下のとおりです。
- 脚部カバーのネジを緩め、手前へ引き起こす
- 漏電遮断器を切る(下へ)
- 給水元栓を右に回して閉じる
- 逃し弁レバーを上方向へ上げる
- 市販のホースを非常用取水栓にセットする
- ダイヤルを左に回して非常用水を出す
なおパナソニックが推奨するホースは網入りの水道用ホース(内径15mm)です。
三菱電機
三菱電機製エコキュート(自動風呂給湯・フルオートタイプ)の取り出し手順は以下のとおりです。
- 脚部のカバーを外す(1.つまみねじ2本を外す。2.カバーは手前に引く)
- 漏電遮断器(2ヵ所)の電源レバーを下げて「切」にする
- 給水配管専用の止水栓を閉じる(タンクへの給水を止めるため)
- 逃し弁の操作窓を開き、逃し弁のレバーを手前に起こす
- 非常用取水栓のホースを取出口に取り付ける
- 非常用取水栓を開ける(1回転~1回転半回す)
- 水(お湯)の抜き出しはバケツ等で受ける
コロナ
コロナのエコキュートはリモコンのタイプによって非常用取水栓の位置が異なります。
また「1缶式・2缶式タイプ」によって手順も変わるため、お使いの機種を事前に確認しておきましょう。
脚カバーを装着している場合はホワイト・シルバータイプによって外し方も異なるため、取扱説明書を必ず確認してください。
- ホワイトタイプ:①ネジ2本を外す②カバーを下にずらしてツメを外し、手前に引く
- シルバータイプ:①ネジ2本を外す②カバーを手前に引く
出典1:タイプ0・非常用取水栓の位置
出典2:タイプ0~4の一覧ページ
ダイキン
ダイキン製エコキュートの取り出し手順は以下のとおりです。
- 貯湯ユニット正面の下側の点検口を開ける
- 漏電遮断器を「オフ」にする
- 正面下部の外板を外す
- 給水止水栓(バルブ)を閉じる
- 貯湯ユニットの点検口を開き、逃がし弁レバーを上げる
- 製品付属の非常用水取出用ホースを、非常用水取出口の栓へ差し込む
- 栓を「左」に回しお湯(水)をバケツに取り出す
出典:ダイキン(非常用水として利用する場合の取出し手順より)
栓を2回転以上まわすと栓が外れてしまう点に気をつけてください。また、使い始めには湯垢が出るためしばらく洗い流しましょう。

エコキュートの断水が復旧した後の処置
断水が復旧した後も、正しい順序で処置を行うことが重要です。
以下にSTEP形式で復旧手順を解説します。
STEP1:蛇口の水をチェック
断水復旧後は、エコキュート本体ではなく家の蛇口を開けて確認しましょう。
注意点は、断水後の水道管にはサビや泥を含む茶色の濁り水などが溜まっていることが多い点です。この時点で給水止水栓を開けてお湯を出すと、貯湯タンクに泥水が入るリスクがあります。止水栓は閉めたまま蛇口から水を出し、濁りがないかを確認してください。
STEP2:給水止水栓を開いて逃し弁のレバーを操作
濁りのない通常の水が出てきたことを確認したら、蛇口を閉めて貯湯タンクの逃し弁レバーを上げましょう。
続いて、給水止水栓を開けると、貯湯タンクへの給水が開始されます。
同時に排水ホースから水が連続的にしっかりと流れ出るのを確認できたら、タンクへの給水は完了です。排水ホースが無い機種をご使用の場合は、排水管から聞こえる音を確認しましょう。
なお、タンクを満水にするまで30~40分ほど時間を要します。
給水が完了したら逃し弁レバーを元の位置(下)に戻して閉じましょう。
STEP3:お湯を蛇口から出す
蛇口からお湯を出す目的は、エコキュート内部に残った空気や泥を排出するためです。
また、配管内に残る空気が混じった状態では水が飛び跳ねるケースもあります。空気が完全に抜け、通常どおりの出方になるまでお湯を流し続けましょう。
STEP4:漏電遮断器をONにして実際に沸き増し運転を行なう
最後に漏電遮断器をON(上方向)に切り替え、リモコンを操作します。
リモコンの時刻がずれていたら正しい時刻に直し、沸き増し運転で貯湯タンクのお湯を満水状態にします。

エコキュートの断水復旧後に注意しておくポイント
手順と合わせて、復旧作業時の注意点も把握しておきましょう。
ここでは「屋外の蛇口から先に水を出す」「浴室以外のフィルターを外す」の2点を補足します。
屋外の蛇口から先に水を出す
断水復旧後は、室内の蛇口より先に庭・駐車場・勝手口などの屋外の蛇口から水を出しましょう。
屋外の蛇口は、水だけが出る単水栓がほとんどですが、キッチンの混合水栓は複雑な構造となっています。キッチンの混合水栓には温度調整用の精密部品(カートリッジ)が内蔵されており、泥やゴミが絡むと故障しやすく修理費用も高くなります。
一方、屋外の単水栓はシンプルな構造のため、万一故障しても修理費用を安く抑えられます。
浴室以外のフィルターも外しておく
断水復旧後にキッチン等で水を出す前に、蛇口の吐水口に付いた泡沫キャップやフィルターを外しておきましょう。断水直後の水道水には配管内の泥やサビが混ざっていることがあり、フィルターを付けたまま水を流すと目の細かい網にゴミが詰まってしまいます。

エコキュートの断水に関する質問集
断水時の対応に関して、よくある質問をまとめました。
- 断水が災害によるものだと保険はおりますか?
- 断水を検知しましたという表示はどう対処するべき?
- 断水時に確保した水は、飲用には適しませんか?
- 取扱説明書がない場合、操作手順は確認できませんか?
- 作業に自信がない場合はどうするべきですか?
断水が災害によるものだと保険はおりますか?
自然災害で物理的な破損がある場合、加入している火災保険が適用になるケースがあります。エコキュートは屋外に固定された建物附属設備として扱われるため、台風・大雨による浸水等が補償対象になる場合があります。
ただし地震を原因とした断水だと、地震保険に加入していなければ補償の対象外になります。
補償範囲はご加入の保険によって異なるため、一度内容を確認しておきましょう。
関連記事:エコキュートの故障に火災保険は使える?適用条件や注意点
断水を検知しましたという表示はどう対処するべき?
断水中や復旧の直後、リモコンに断水検知のエラーコードが出るのは、空焚きを防ぐ安全装置が正常に働いているためです。
手順どおりに復旧作業を行い、タンクが満水になるまで待つことが対処法です。
なお、三菱電機の例を挙げると「F07」というエラーコードが表示されることがありますが、満水になると自動的に解除されるため心配不要です。
各メーカーのエラーコードも事前に確認しておくと、いざというときの対処に役立ちます。
取扱説明書がない場合、操作手順は確認できませんか?
お手元に取扱説明書がない場合でも、主要メーカーのWebカタログから非常用水の取り出しおよび復旧手順を確認できます。
またエコキュートの貯湯タンクのラベルに手順を記載したメーカー(パナソニックなど)もあるので、1度確認をしておきましょう。
断水時に確保した水は、飲用には適しませんか?
断水時にタンクから取り出した非常用水(生活用水)は、メーカーも飲用を避けるよう公表しています。
- トイレの洗浄
- 調理器具の洗浄
- 手洗い
以上の用途には使用できますが、飲料水としての使用は控えてください。
やむを得ない場合は、沸騰させてから飲用してください。なお、変色や濁り、異臭、異物がある場合には、雑用水として使用しましょう。
作業に自信がない場合はどうするべきですか?
緊急時は焦りから誤操作が起きやすく、「逃し弁のレバーを上げっぱなしにした」「給水止水栓の操作を逆にした」といったミスも起こりえます。作業に不安がある場合は、工事専門店に依頼するのが最も安心です。
専門店は災害時の対応にも慣れているため、万一に備えて相談先を決めておくのも得策です。

まとめ
断水時でも非常用水として活用できる点はエコキュートの大きな強みです。
本記事の手順を参考に正しく対処することが大切ですが、作業に不安がある場合は、プロに任せる選択は安心といえます。
エコキュートの断水トラブルや日常的なメンテナンスのご相談は、エコキュート工事専門店にお気軽にお問い合わせください。交換をご検討の際もお気軽にご相談ください。


