
「災害のときでもエコキュートが活躍するって本当?」
「どんな機能が役に立つ?」
このように、災害時のエコキュートの活用方法について疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
エコキュートは、災害に備えた便利な機能が満載です。
本記事では、断水時でも使えるエコキュートの機能やガス給湯器との比較を詳しく解説します。注意点や対策も取り上げますので、ぜひ参考にしてください。
Table of Contents
災害時にエコキュートが活躍する2つのメリット

ここでは、エコキュートが非常用水として使える点や停電時にもお湯が出せる点など、2つのメリットを詳しく紹介します。
貯湯タンクの水が非常用水になる
エコキュートは、断水が発生した場合でも非常用取水栓から貯湯タンク内の水を取り出して利用できます。トイレ・洗い物・洗濯・手洗いなど、さまざまな用途に利用できます。
ただし、飲用水としての利用は不可です。貯湯タンク内の水は常に入れ替わっているわけではなく、衛生面の観点から飲用には適していません。
停電時でもお湯が出せる
災害が発生した場合も、貯湯タンクにお湯が残っていて断水していなければ、エコキュートからお湯を出すことができます。
使用できるのは主にシャワーや蛇口からとなりますが、機種によって対応状況が異なるため、事前に取扱説明書で確認しておきましょう。
三菱電機のエコキュートを例にとると、「SRT-HP×××5~8タイプ」や「SRT-P・S・B・V・W・N・C20Dを除くC×××タイプ」などはシャワーや蛇口からの出湯が可能です(断水時は除く)。 なお、上記以外のタイプは原則として水は出るものの、お湯を蛇口から出すことはできないとされています。
出典:三菱 エコキュート停電時・断水時の処置に関するお知らせPDFより
いずれにせよ、お使いの機種が停電時にお湯を使えるかどうか、事前に必ず取扱説明書で確認しておきましょう。

災害時に役立つエコキュートをガス給湯器と比較

災害時(台風・落雷・地震)におけるパフォーマンスを、エコキュートとガス給湯器で比較しました。
結論として、エコキュートは貯湯性能や電気ライフラインの復旧スピードといった面から、災害時に大きな強みを発揮することが期待できます。
| ケース | エコキュート | ガス給湯器 |
| 停電した | 蛇口からのお湯出し可能 | 原則として不可 |
| 断水した | 貯湯タンクから使用可 ※蛇口、シャワーから | 使用不可 |
| ライフライン復旧速度 | 電気:当日翌日、7日以内の復旧 | ガス:数日もしくは1カ月以上 |
都市ガスは配管や機器の点検・修理が必要なため、電気に比べて復旧が遅くなる傾向があります。過去の震災事例を見ると、阪神・淡路大震災では3か月以上、東日本大震災ではおよそ2か月、それぞれ都市ガスの復旧に時間を要しました。
出典:経済産業省(都市ガス業界における 地震・防災対策の取り組みについて)

災害時に気をつけたいエコキュートの注意点
災害対応の機能が充実したエコキュートにも、使用上の注意点があります。特に、高温によるやけどや停電時の湯沸かしができない点は事前に把握しておきましょう。詳しく見ていきましょう。
高温のお湯が出ることもあるためやけどに注意
停電時は温度調節機能が働かないため、蛇口をひねると高温のお湯が出る恐れがあります。やけどを防ぐため、直接触れずにバケツなどに受けてから温度を確認して使用しましょう。
停電時の湯沸かしはできない
エコキュートの稼働には電気が必要なため、停電中は湯沸かしやお湯張りができません。また温度調節も行えないため、この点にも注意が必要です。

災害時でも可能なエコキュートで非常用水を取り出す方法
貯湯式のエコキュートは、災害時にタンク内の水を取り出して生活用水として活用できます。
| 順番 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 漏電遮断器の電源レバーを下げる | 電気の供給を停止するため |
| 2 | 給水配管専用止水栓を閉じる | 給水を停止させ、水の減少を防ぐ |
| 3 | 逃し弁のカバーを開けレバーを手前に起こす | レバー操作によって、取水栓から水(お湯)の取り出しを可能にする |
| 4 | ホースを非常用取水栓(水抜き栓)に取り付ける | ホースの差し込み部を持って左に回す ※バケツを地面へ ※左が開く・右が閉める |
| 5 | 非常用の水(お湯)を出す | 熱湯が出る恐れがあるためやけどに注意 |
| 6 | 非常用取水栓を閉じ、逃し弁レバーを下げる | 元へ戻すため |
脚部カバーが付いているモデルは、あらかじめ取り外しておきましょう。ネジが固い場合に備えてドライバーを準備しておくと安心です。なお手順はメーカーによって異なりますので、取扱説明書も必ず確認してください。
| メーカー名 | 操作等の方法(該当ページ) |
|---|---|
| 三菱 | 自然災害や停電・断水時の対応について |
| パナソニック | エコキュート断水・停電時の対応 |
| ダイキン | 断水したときの対応と非常用水の利用方法(エコキュート) |
| コロナ | 災害・断水・停電時 |
| 日立 | エコキュート断水時の処置 |
紙の取扱説明書が手元にない場合は、各メーカーのウェブサイトからダウンロードし、家族全員がいつでも確認できるよう共有しておきましょう。

断水から復旧した際の対処
断水が復旧しても、すぐにはエコキュートを使用せず、異物を排出する必要があります。以下の2点を確認しておきましょう。
復旧してすぐにエコキュートを使用しない
断水が解除されても、すぐにエコキュートを使い始めるのは控えましょう。長期の断水があった場合、貯湯タンク内にゴミや汚れが混入しているおそれがあるためです。
水道管の泥や異物の排出を行う
断水解除後は、まず洗面所やキッチンの蛇口を開けて水を流すことを優先して行いましょう。この作業は「洗管」と呼ばれ、流れてくる水の状態を確認する大切な手順です。
濁った水が出た場合は、空気や泥が水道水に混入している可能性があります。
赤く濁っている場合は配管の錆が原因として考えられ、いずれも使用を控えましょう。
流れてくる水が透明になるまで確認を続けてください。透明できれいな水に戻れば洗管完了です。

あらかじめやっておきたい災害対策

災害に備えたエコキュートの対策として、転倒リスクを踏まえた基礎工事・遠隔操作アプリの活用・タンクの定期清掃が挙げられます。重要な3点ですので、順に確認して備えを万全にしておきましょう。
基礎工事が万全かどうかを転倒リスクから判断する
エコキュートの貯湯タンクは縦長の形状のため、地震などによる転倒リスクも考慮する必要があります。
一般社団法人日本冷凍空調工業会の資料では、設置場所や固定部位に応じてアンカーボルトで固定するよう求めています。これは建築基準法「建築設備の構造耐力上安全な構造方法を定める件(平成12年建設省告示第1388号)」に基づく定めで、エコキュートは貯湯ユニットが対象です。
出典:一般社団法人 日本冷凍空調工業会資料より
沸き上げの遠隔操作も想定して使えるようにする
エコキュートの中には、スマートフォンから遠隔で沸き上げができるモデルもあります。各メーカー遠隔操作機能の特徴は以下のとおりです。
| メーカー名 | 専用アプリ(機能名) | 機能 |
|---|---|---|
| 三菱電機 | MyMu(アプリ) | 外出先からの沸き増しやお湯はり操作 |
| パナソニック | スマホでおふろ | ・外出先からの沸き上げ ・気象警報・注意報連動の自動全量沸き上げ「エマージェンシー沸き上げ」 |
| ダイキン工業 | ダイキンスマートアプリ | ・外出先や離れた部屋から沸き上げ、お湯はりなどの操作 ・現在のタンク湯量確認も可 |
| 株式会社コロナ | コロナ快適ホームアプリ | 外出先からのお湯はりやタンク湯増しが可能 |
エコキュートの遠隔操作機能は、いずれもスマートフォンアプリを使用することが前提です。
高齢の家族と同居している場合は、災害時の給湯操作を担当する人をあらかじめ決めておくと、いざというときに迷わず対処できます。また、本人が操作を覚える意欲があれば、アプリの使い方をあらかじめ説明しておくことをおすすめします。
もしもの時の貯湯タンク清掃も定期的にしておく
高機能なエコキュートとはいえ、定期的なセルフメンテナンスは欠かせません。湯垢や不純物の沈殿を防ぐためにも、貯湯タンクの定期的な清掃が必要です。
各メーカーは半年に1回以上の清掃を推奨しており、災害時にタンクのお湯を使う想定がある場合は特に、メンテナンスを継続して行っておきましょう。
関連記事:エコキュートの日常的な点検|長く使用するためのメンテナンスのコツをご紹介

災害の際にもケースによって修理可能な保険

災害による被害が生じた場合、災害の種類や保険会社の定める補償範囲によって、補償対象かどうかが判断されます。
確認が必要な火災保険と特約について、2点をピックアップして解説します。
火災保険が適用されないケース
火災保険では、経年劣化による損害や地震・津波・噴火による被害は補償対象外です。
地震については地震保険が別途必要であり、火災保険では補償されません。
特約付帯の確認も必要な理由
保険会社によっては、特約を付帯することで補償対象となる場合があります。
東京海上日動の例では、「建物付属機械設備等電気的・機械的事故補償特約」を付帯した契約であれば補償対象となるケースもあります。
出典:【火災保険】家庭用ヒートポンプ給湯器が故障についてのQ&Aより
まず確認すべきは特約の有無です。特約がない場合でもエコキュートが補償対象となるかどうかを保険会社に確認しましょう。
関連記事:エコキュートの故障に火災保険は使える?条件や注意点を詳しく解説

エコキュートは災害時に機能性をフルに発揮する【まとめ】
エコキュートは、災害時でも非常用水として活用でき、遠隔操作による事前の湯量確保など、さまざまな対策が可能です。
日頃から定期点検を行い、各機能の使い方を把握しておくことで、いざというときに確実に役立てられます。


