
「雪対策をしなかった場合はどんなデメリットがある?」
「効果的な対策はどのくらいある?」
雪に見舞われる季節を乗り切るには、積雪や落雪によるトラブルの対策が欠かせません。対策が不十分だと、本体の破損や思わぬ事故を招いてしまうことがあります。
この記事では、雪対策を怠った場合の悪影響と、具体的な対処法について解説していきます。適切な対策を知っておくと安心につながりますので、ぜひ最後までご覧いただき、お役立てください。
Table of Contents
積雪がエコキュートに与える6つの負担

積雪への対策が不十分だと、エコキュートには6つの負担が生じます。雪対策を進める前に、まずはどのようなリスクがあるのかを確認していきましょう。
積雪で湯沸かし効率が低下してしまう
エコキュートのヒートポンプユニットは、外部の空気を吸い込み、その熱を利用してお湯を沸かす構造です。
この機器や周辺に積雪があると、空気の通り道がさえぎられ、本来のパフォーマンスを発揮できません。熱を十分に集められないままフル稼働することになるため、お湯が温まりにくくなったり、エラーで停止したりするリスクが高まります。
落雪直撃や吹き込み雪による故障リスク
屋根の積雪が多く傾斜もある場合、なだれ落ちる雪はかなりの重さになります。たとえ新雪であっても1㎥あたり50〜150kgもの重さになるため、直撃すると機器の破損につながりかねません。
出典:時間経過で密度が最大10倍に!?想像以上に重い雪の脅威 – ウェザーニュース
一方で横から吹き込んだ雪は、強風にのってヒートポンプユニットの内部へと吹き付けられます。機械の中で雪が溶けたり凍ったりすると、内部が傷つき、エラーや故障の原因になります。
氷柱の形成がファンに接触して異音が出る
ヒートポンプユニット内にできる氷柱(つらら)にも注意が必要です。これは、積もった雪がヒートポンプの熱で一度溶け、垂れ下がったところで再び凍ることで発生します。
また氷柱が大きく成長すると、運転中のファンに当たりガリガリとした異音が発生することも珍しくありません。周辺環境によっては近所からのクレームに発展するおそれもあるため、軽視できない現象です。
配管の体積膨張で破裂を招いてしまう
積雪トラブルで見落とされがちなのが、ふだん目にすることのない配管の膨張です。低温により配管内の水が凍結すると体積が約9%膨張し、配管が破損するほどの圧力になります※。
未対策の場合、最悪のケースでは配管が破裂する可能性があります。
※出典:管の凍結対策について|積水化学工業-エスロンタイムズ
霜取り運転の多発による負担
霜取り運転は、各メーカーのエコキュートに搭載されている便利な機能です。これは沸き上げ運転が済んだあと、外気温や室外機内にある熱交換器の温度などから着霜状態を確認し、必要に応じて稼働するシステムです。
動作には電力を消費するのでエコキュートの電気代は上がりますが、霜取りができなければ沸き上げに支障をきたすため運転は不可欠といえます。
凍結防止ヒーターの作動で電力消費が増加
エコキュートには積雪や水の付着による凍結を防ぐため、寒冷エリアや豪雪地帯向けのモデルを中心にヒーターが搭載されているモデルがあります。
設置箇所は機械内部の配管、お風呂と本体をつなぐ風呂配管、水道とつながる給水・給湯配管などです。これらの露出した配管にヒーターバンドを直接巻き付け、電気で温めることで配管の凍結を防いでいます。
電気を使用するため光熱費は上がりますが、凍結させないためには欠かせません。

積雪シーズンに取り組むべきエコキュートの雪対策

積雪がエコキュートに与える影響は大きいものの、自分でできる雪対策もあります。ここでは雪かき、吸気口・吹出口の除雪、点検について見ていきましょう。
【本体周辺】雪かきを定期的に行う
雪かきは第一にヒートポンプユニット側から取りかかりましょう。ヒートポンプは空気を吸い込んでお湯を沸かすため、周辺に積雪があると運転効率が悪化してしまいます。
一方の貯湯ユニット側は、ヒートポンプユニットのように空気を取り込む構造ではありません。
しかし貯湯ユニット下部に接続された配管やドレン排水口などが雪で塞がれると、排出される水が行き場を失いトラブルを招くため、雪かきは徹底する必要があります。
関連記事:エコキュートの排水について理解しよう!ドレン排水の仕組みや水漏れとの違い
【ショートサーキットを防ぐ】吸気口・吹出口の除雪
周辺の雪かきをしたあとは、ヒートポンプユニットの吸気口・吹出口の除雪作業も行いましょう。積雪がヒートポンプユニットの周囲に雪の壁をつくると、吹き出された空気が再び吸い込まれるショートサーキット現象が起きるためです。
- 雪かきに使うスコップ
- 軍手や作業用手袋
- 毛先がやわらかいブラシ
準備を整えたら、以下の要領で除雪作業に取りかかりましょう。
| 除雪場所 | 内容 |
|---|---|
| 吹出口(正面) | 30cm以上のスペースを確保 ※ショートサーキット防止 |
| 吸気口(側面・背面) | 壁と吸気口の隙間に溜まらないよう除雪 |
なお、天板(上面)の雪も払っておくと、溶けた雪が内部に侵入するのを防げます。
積雪シーズンに起きやすいエラーは日常点検で対処
積雪のシーズンは、玄関や駐車場周りの除雪に手を取られがちですが、エコキュート周辺のこまめな点検も欠かせません。雪対策が不十分だと、本体への負荷が原因で室内リモコンがエラーを表示することもあるからです。
- 点検時に除雪、異物混入やさえぎる物がないかのチェック
- 機器・部品の凍結によるエラーは自然解凍を念頭に置いて対応する
- 脚部カバー内や周辺配管の保温材剥がれがないかの確認
これらの点検をしておくとエラーの発生を未然に防ぎ、安心して冬場でもお湯を使い続けることができます。
関連ページ:各メーカーのエラーコード

工事業者への施工依頼が前提となる雪対策
エコキュートの物理的な雪対策には、以下の施工が主に挙げられます。
- 断熱材での補強
- 防雪カバー(フード)
- 防雪屋根
- 防雪架台
画像出典:三菱エコキュート 据付工事説明書
いずれも工事業者への依頼が前提になりますが、積雪・風雪への対策効果を高められます。順番に確認していきましょう。
保温・断熱材での補強
主要メーカーのエコキュートには、熱を逃がしにくくするための保温材が内部に採用されています。
しかし氷点下前後となる寒冷地域では、補強が不十分だったり低品質の材料が使われていたりすると、雪対策として十分な効果を発揮できません。
ホームセンターや通販で材料を入手すれば自分で設置することも不可能ではありませんが、的確な判断や正確な作業がなければ逆効果になる可能性もあるため、施工の品質を考えるとプロに任せるのが安心です。
防雪フード(カバー)を取り付け
メーカーによって防雪フードやカバーなど名称は異なりますが、いずれも主にヒートポンプユニットへの風雪被害を防ぐための部材です。
「防雪カバー程度なら自分でも取り付けられるのでは」と思われがちですが、ドリルを用いた工事も含まれています。工具の操作を誤って機器を破損させるおそれや、怪我のリスクもゼロではありません。
またメーカーの注意書きでも、防雪カバーの据付工事は専門業者や販売店に依頼するよう呼びかけられています。
防雪屋根を設置する
エコキュートの防雪屋根は、傾斜を設けることで大量の雪が本体に落ちるのを防ぐ部材です。
防雪屋根の設置を業者にまかせるべき主な理由は、転落事故のリスクを防げることです。
貯湯ユニット側の設置では、機器本体の高さが約180〜200cmに及ぶため、高所での作業になり、DIYで安全に進めるのは難しいでしょう。
ヒートポンプユニットのみや、貯湯ユニットも含めた両方をカバーする一体型など、どのような防雪屋根を設置すればいいのか判断に迷う場合は、出張無料見積もりに対応した業者に相談することをおすすめします。
防雪架台を設置する
ヒートポンプユニットが雪に埋もれないように高さを設け、固定を安定させる役割を持つのが防雪架台です。
防雪架台の設置にはコンクリート土台による補強工事が必要になる場合があるため、こちらも業者へ施工を依頼するのが望ましいです。貯湯タンクほどの重さはないものの、ヒートポンプユニットは40kg前後の重量の機種も少なくないためDIY感覚の作業は危険です。
- 機器を乗せると高さは約1メートルにもなる
- 持ち運んだ際の機器の落下による故障や怪我
- 設置失敗を繰り返す過程で起こりうる事故

【事故や破損リスク】雪対策で安易にしてはならない行為

エコキュートの雪対策では、一つの判断ミスが予期せぬ事故や故障につながることがあります。
ここで紹介する「してはならない」行為は、破損や事故のリスクを避けるためにも重要なので、しっかり理解しておきましょう。
不慣れな除雪での金属製スコップ使用
金属製のスコップを使って乱雑に除雪すると、エコキュートに接触して本体を傷つけたり、重要なパーツを破損させたりするリスクがあります。
除雪作業に不慣れな場合、除雪の際に使うスコップはプラスチック製の方が望ましいでしょう。
雪下ろしは屋根に登らなくても危険
まず屋根に登るのが厳禁なのは当然ながら、エコキュート本体が設置してある軒下での作業にも注意を払わなければなりません。
また研究機関でも、雪下ろしには複数の事故リスクが存在すると指摘されています。
出典:屋根の雪おろしは不要!?よくある注意喚起や雪おろしの危険性を知ろう|北海道科学大学
地上からの作業で事故を防ぐためにも、以下の注意点も把握しておきましょう。
| 危険が生じる要因 | 事故リスク |
|---|---|
| 高所の作業 | はしごの位置や固定が不十分で転落のおそれ |
| 落雪の直撃 | 屋根から崩れ落ちた、雪塊の下敷きのおそれ |
決して自分で高所作業は行わず、地元の除雪業者や雪下ろしの代行サービスを使いましょう。
ヒートポンプユニットへの厳禁行為
ヒートポンプユニットの除雪の際は、特にファン(送風機)についた雪を棒で取り除いたり手を突っ込んだりする行為が怪我につながるので避けましょう。
ほかにも、故障させないための注意点があるので以下を参考にしてみてください。
- 【破損リスク①】フィン(機器の背面内部)をこする
- 【破損リスク②】熱湯をかけて、内部基板に水が侵入してしまう
除雪が原因で故障し、修理が必要にならないよう注意しましょう。

エコキュートの雪対策に関するよくある質問
雪対策の具体的な方法を知ったあとは、別の角度からよくある質問も見ておきましょう。積雪時の電源の扱い、保証関連や防雪アイテムについてのQ&Aです。
積雪時は電源を切っておくべきですか?
積雪時に電源を切ることは避けましょう。エコキュートは凍結防止制御機能が働いているため、外気温が氷点下になるときの通電は必須です。動作が止まってしまうと水回路の凍結が起き、機器が損傷するリスクがあります。
また、家の中を通る配管が凍結で膨張・破裂する可能性も出るため、積雪時に電源を切るのは安全とはいえません。
例外として、エラー発生時の電源リセットなど、数分間の一時的な電源オフは除きます。
DIYが得意な家族に防雪品の取り付けを頼んでいい?
主要メーカーは販売店や工事専門業者への施工依頼を推奨していますが、その理由は怪我や破損のリスクだけではありません。
ダイキンの「安心保証適用除外項目」によると「標準外部品(純正品以外)」「架台」など、外部品や付帯設備そのものの修理などは保証対象外になると記載されています。
また、購入後の移動や落下などによって本体が破損した場合も保証が受けられないと記載されています。
したがって、ネット通販やホームセンターで調達してDIY作業で取り付ける場合、補償対象外となる恐れがあることを覚えておきましょう。
積雪災害は火災保険の対象になりますか?
エコキュートは一般家電と異なり、敷地内に設置された屋外設備として扱われるため、火災保険の対象になることがあります。
ただし、雪による直接の被害であることなど、補償対象となる条件に当てはまっているかどうかの確認が必要です。
- 【雪災】屋根から落雪がありエコキュートが破損/li>
- 【建物】保険の契約対象に「建物」を含んでいること(建物・家財のうちの区分)
- 【免責金額以上】免責金額が6万円で修理費が20万円の場合、差額の14万円を受け取れる
契約によっては「損害額20万円以上」などの条件が付くことがあります。契約内容の把握が肝心で、対象外になるケースも正しく理解する為にも、契約内容(約款)の確認が必要です。
関連記事:エコキュートの故障に火災保険は使える?適用条件や注意点
雪対策のアイテム・部材の費用感は?
雪対策の部材にかかる費用の目安は、以下のとおりです。
- 防雪カバー(フード):20,000〜30,000円台
- 防雪屋根や架台:20,000〜70,000円台
- 架台・屋根・防雪板のフルセット:100,000円前後
メーカー純正品は三菱電機の公式サイトで確認できますが、工事店向けのページのため、外観や寸法の確認にとどめ、実際の購入や施工は専門業者に依頼しましょう。

まとめ
エコキュートの雪対策では、未対策による影響を知ったうえで、具体的な対処法を把握し実践することが不可欠です。
部材の設置に不慣れな場合は、防雪屋根や架台などを専門業者に任せることで、安全に対処できます。
ここまでの内容を読んで、積雪対策含めたエコキュート交換をプロに任せたいとお考えなら、ぜひエコキュート工事専門店のチカラもちへご相談ください。



